住まいの災害対策は耐震補強や家具の固定だけではありません。外壁塗装も防災に有効だということをご存じでしたか?

教えてくれたのは…

家を外側から守る! 塗装で外壁の防災力を高めよう
大星建装 代表 三繩大介さん

公開 2025/08/27(最終更新 2025/08/25)

編集部

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千葉・埼玉県在住の編集メンバーが、地域に密着して取材・執筆・編集しています。明日が楽しくなる“千葉・茨城情報”をお届けします!!

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ひび、コーキングの傷みに要注意!

建物の耐震性は、家屋の構造・設計だけでなく、外壁塗装によっても高めることができます。

中でもひびの補修は重要。

ひび割れがあると雨水が浸入して内部の木材が腐り、地震時のダメージを受けやすい状態になるからです。

外壁の浸水リスクは自分の目で見て発見できます。

ひびの他、チョーキングといって壁から粉が出ている状態も危険なサイン。

モルタル壁のひび割れは分かりやすいですが、サイディング(パネル状の外壁)では外壁の隙間を埋めるコーキング部分の劣化が家を傷める要因に。

コーキングの劣化サイン

こんな状態になっていたら注意

細かいひび割れ
家を外側から守る! 塗装で外壁の防災力を高めよう
コーキングが剝がれ、外壁との間に隙間ができている
家を外側から守る! 塗装で外壁の防災力を高めよう
コーキングが剝がれ、外壁との間に隙間ができている

コーキングは5〜7年で劣化が始まるといわれるので、10年以内の補修がおすすめです。

家屋内部が激しく傷む前に、早めの対策を意識しましょう。

塗装で作る 地震に負けない家

外壁塗装では、下地処理と上塗りを複数回行います。

塗装の手順

家を外側から守る! 塗装で外壁の防災力を高めよう
塗装前。既に家屋に浸水が進み、中からの湿気で外壁が剝がれてきているので劣化部分を除去
家を外側から守る! 塗装で外壁の防災力を高めよう
劣化した部分を取り除いた状態
家を外側から守る! 塗装で外壁の防災力を高めよう
下地塗料(シーラー)を塗る
家を外側から守る! 塗装で外壁の防災力を高めよう
下地2回目(フィラー)
家を外側から守る! 塗装で外壁の防災力を高めよう
上塗り。2回行いました
家を外側から守る! 塗装で外壁の防災力を高めよう
施行終了。きれいに、かつ災害に強くなりました

この工程で、防水性と耐震性に大きく関係するのが下地に使う塗料で、いくつかの種類があります。

塗料の種類

家を外側から守る! 塗装で外壁の防災力を高めよう

それぞれに長所がありますが防災という点で効果的なのはフィラー。

柔軟性があるため小さな揺れに強く、ひび割れしにくい特性を持ちます。

外壁の材質や状態によって適した塗料は異なるので、フィラーだけを使えば良いというわけではありませんが、適切な塗料を選びながら防水性・耐久性を考慮した塗装を行えば、確実に建物の防災力を高めることができます。

とはいえ見た目の美しさ、耐久性など、外壁に求めるものは人それぞれ。

防災力を最も重視したいなら、あらかじめ業者に伝えておくとよいでしょう。

燃えにくく火災に強い外壁もある

塗装には耐火性能を高める効果もあります。

一般的な塗料でも耐火性は向上しますが、特に不燃塗料と呼ばれるものは延焼を抑える特長があり、火災の被害軽減に威力を発揮。

住宅密集地にはおすすめです。

ただし耐久年数がやや短いというデメリットもあるため、塗装の目的に合った塗料を選ぶことが大切です。

信頼できる業者選びのポイント

外壁に危険サインが見つかっても、いったんは部分補修で済む場合もあります。

中には過剰に不安をあおり、不要な大規模改修を勧める業者もいるので要注意。

誠実な業者に建物の状態を正しく診断してもらい、計画的なメンテナンスを行うことが「災害に強い家づくり」のポイントです。