「満月の日は月明かりの反射がムンクの絵のよう」と谷津干潟を美しく表現する德野さん。自然と共にある暮らしを楽しみ、そのまなざしは作品にも息づいています。
公開 2025/08/09(最終更新 2025/08/04)

谷津干潟の自然に魅かれて新生活
「ここにいると、潮の満ち引きに合わせて仕事のリズムを組みたくなるんです」と語るのは、浦安市から豊かな環境を求め、谷津干潟を臨む家に引っ越してきた作家の德野有美(とくの ゆみ)さん。
NHK「となりのシムラ」で脚本家デビュー。
YouTube番組や小説、ミュージカル脚本にも取り組んでいます。
今年5月には絵本『メンダコにんじゃ』を出版。
反響を呼び、重版が決定した話題作です。

インドア派のイメージを持たれがちな作家業ですが、虫や鳥を観察するため、双眼鏡を片手に3時間も歩くことがあるそう。
自然と共に暮らす丁寧な日々がうかがえます。
生物へのまなざしを作品に昇華して

「母も虫が好きで、小さな頃からカブトムシやオタマジャクシを飼育していました。家の中でチョウが飛ぶのは当たり前。自然と虫に興味を持ちました」。
現在も自宅でキアゲハやナナフシモドキ、キリギリスなどを飼育し、日々観察を続けているそうです。
幼い頃から虫と親しんで育ち、「虫が好き」とありのまま口にできる、温かな環境の中で過ごしたとのこと。
「最初は鳴けなかったキリギリスが、少しずつ練習して7月になると美しく鳴くようになるんです。自宅飼育すると発見があり、面白いですよ」と目を輝かせます。
幼い頃から生き物に向けたまなざしが、絵本『メンダコにんじゃ』の温かい世界観につながっています。
「今後は、谷津干潟を舞台にした絵本や小説を書いてみたい!」と語ってくれました。
(取材・執筆/ムーヴ)
德野有美さんⅩ/@tokunoyumi