市立船橋高校出身の店主が母校とコラボ。船橋市で生産が盛んな小松菜を使用したソーセージを開発しました。

公開 2025/08/08(最終更新 2025/08/01)

編集部 ゆりか
編集部所属の取材記者。白井市出身、船橋市在住。コンテンポラリーダンス、ヨガ、ズンバ、バレエなどとにかく踊るのが好き。取材執筆も好きだが、地図が読めないため取材前はいつも軽く迷う。食べ盛りの夫と3人の子育てに奮闘中。
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1992年、女子第4回全国高等学校駅伝競走大会でアンカーを務め、市立船橋高校を逆転優勝に導いた渡邊(旧姓・蛯江(えびえ))千亜希さん。
実業団で世界を目指した時期を経て、結婚。
その後、子育てが一段落した10年ほど前、それまで応援してくれた叔父が独自のレシピを千亜希さんに託し、世を去ります。
叔父が手がけていた「俊五郎ソーセージ」は千葉県産豚肉と塩・香辛料にこだわった風味豊かなソーセージ。
中でも、青ジソを加え、しょうゆで味付けした「青じそ味」は優しく香り立つ人気の味でした。
「叔父さんのソーセージを残したい」と千亜希さんは、熟練の職人が心を込めて丁寧に作る千葉の老舗Farm plus株式会社に製造を委託。
販売は自らが行うようになりました。

2年がたったある日、千亜希さんはマルシェ出店で訪れた「大多喜ハーブガーデン」で「ここのハーブを使って、風味豊かなソーセージを作ってほしい」という依頼を受けることに。
「自分にできるだろうか」。
レシピを作った経験がなく自信がなかった千亜希さんに、いろいろな人がアドバイスをくれ、力を貸してくれました。
こうしてできたのが「ハーブミックスソーセージ」。
ガラムマサラ、バジル、エスニックソルト、セージの4種類のオリジナルソーセージです。
ハーブの香りが際立ち、くっきりとパンチの効いた味は大ヒットしました。

西船産コマツナがたっぷり

ここから千亜希さんは新たな味の開発にも踏み出します。
昨年舞い込んだのは母校の市立船橋高校の生徒と共同でソーセージを作る企画。
千亜希さんは高校生と一緒に試行錯誤の末、生産者などたくさんの人を巻き込んで西船産コマツナが入った「船橋ソーセージ」を完成させました。
「ご縁が形となった、かけがえのない作品」。
千亜希さんはこのソーセージをそう感じています。
食べた第一声は「肉汁すごい!でもさっぱり」。
使っているのは国産の鶏むね肉。
高たんぱくで低脂肪なのでアスリートやダイエットしている人に理想の食材です。
そこに栄養豊富なコマツナがたっぷり。
健康に良く、しかもおいしい理想のソーセージが出来上がりました。
湯煎して少し焼いてかんでみれば、肉汁がプシュッとはじけ、コマツナが爽やかに香ります。
塩少々にレモンを振れば、また格別。
朝食にもビールのお供にもおすすめなこのソーセージは、老若男女誰もが喜ぶ贈り物の逸品です。

現在、キッチンカーで自慢の味を提供している千亜希さん。
常設を希望する声に応えて、実店舗のオープンももうすぐとのこと。
「今後は女性向けにニンジンやコラーゲン入りの美容と健康に良い、船橋を代表するソーセージを作りたい」。
千亜希さんの新たな物語はもう始まっています。

