現在スペインを拠点として「ロードレース世界選手権Moto3クラス」に出場中の山中琉聖さん(23)に、バイクレーサーという生き方についてお話を聞きました。

公開 2025/08/26(最終更新 2025/08/18)

編集部 みんみん

編集部 みんみん

編集部所属 編集/ライター、千葉市在住。 コーヒーとハイボールとスポーツ観戦が好きです。 苦手なものは強風。

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常に世界で挑戦し続けるということ

山中さんは、3歳からポケットバイクに乗り始め、16歳で国際ライセンス(プロ免許)を取得、18歳から拠点をスペインに移して世界に挑んでいるバイクレーサー。

ロードレース世界選手権とは、世界各国のサーキットで22戦をし、通算の成績で年間チャンピオンを決める世界最高峰のレースで、16歳から25歳までのライダーが新規参戦の対象。

継続参戦は28歳までとされています。

四街道市出身のレーサー 山中琉聖さんの見る世界
空気を切り裂くように身を伏せてバイクを疾走させる

レースの合間には日本にも頻繁に帰国し、鈴鹿や筑波など各地のサーキットでトレーニングに励む山中さん。

「海外の暮らしも悪くはないけれど、慣れ親しんだ環境の方が練習も効率的」と話します。

6、7台のバイクを所有し、用途に応じて乗り分けるなど、日々のトレーニングにも一切の妥協がありません。

2020年に世界選手権に参戦して以降、順調にステップアップ。

今年はカタールで自身初のポールポジション(予選1位)を獲得し、「初めて実力が目に見える形で証明できた」と誇らしい笑顔を見せます。

四街道市出身のレーサー 山中琉聖さんの見る世界
2025年MotoGP第4戦カタールGP Moto3クラスの予選にて(中央)

0コンマ何秒の世界に思いを懸けて

一方で、常に危険が伴うレース。

山中さんが使用するバイクは、最高速度260kmほどが出せるのだそう。

過去には仲間の死を経験し、命の重みを痛感したことも。

それでも「怖いと感じるとレースで攻められない」とプロとしての覚悟をのぞかせます。

「僕たちは0コンマ何秒という世界に思いを懸けて勝負しています。そこがたまらなく魅力だし、結局はバイクに乗っている時の自分が一番自分らしくて好きなんですよね」。

その瞳には、変わらずひたむきな情熱が宿っていました。

Instagram/@ryusei_yamanaka6