毎年のように起こる自然災害。ライフラインが脅かされる中、水の問題は特に深刻です。いざという時、命を支える水の備蓄、あなたのお宅は十分ですか?
教えてくれたのは…

公開 2025/08/27(最終更新 2025/08/25)

飲料水だけでは足りない災害対策
水の備蓄というと飲むための水を思い浮かべるかもしれませんが、もはや飲み水の備蓄は当たり前。
飲むだけでなく、手洗い・トイレ・入浴・洗濯など、私たちの暮らしは水なしでは成り立ちません。
非常時ということで最低限の使用を想定しても、下図のように1人当たり1日3Lは必要です。

内閣府では、この量を目安に3日分備蓄することを推奨しています。
命に直結する飲み水に比べ軽視されがちな生活用水ですが、不足すれば衛生環境の低下は避けられません。
暑い時季の断水は熱中症リスクにも直結します。
過去の災害でも「トイレに困った」「入浴できず、つらかった」という声が多数報告されていました。
衛生的な生活水確保に注目の選択肢
非常用の水の備蓄手段としては下の表のようなものがあります。

元々飲料水として販売されているペットボトル飲料は2年以上もちますが、水道水は空気に触れると菌が発生するため、完全な密閉状態を保つことが必要。
それでも飲用としては約半年が目安です。
生活用水については、「災害時に備えて浴槽に水を張っておく」という生活の知恵が広く知られています。
一般的な家庭用浴槽の容量は200〜300Lで、確かにこの量の水があれば安心感が違います。
しかし浴槽の水は空気に触れるため、長期間衛生的に保つことはできません。
そこで注目されているのが一部の給湯器や家庭用の循環型貯水タンク。

これらは水道管直結で、普段の生活で水を使うたびに新鮮な水が流れ込み、満水の状態で密閉されているので衛生的です。
「貯水タンク導入には広いスペースが必要なのでは?」と思うかもしれませんが、200Lのタンクならマンションのベランダや玄関前にも設置できます 。
水の備えを日常生活に自然に取り入れることも、立派な防災対策です。
生活水をまかなえる住環境の整備が、防災力の高い暮らしをつくる鍵となりそうです。