1874(明治7)年創業。野田でこんにゃくといえば「逆井(さかさい)」、逆井といえば「こんにゃく屋」といわれるほど。地元に愛される老舗の苦労と夢を、代表の逆井彰さんに聞きました。

公開 2025/09/02(最終更新 2025/08/28)

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60才直前にて、サラリーマン生活を卒業。今まで、ぼんやり夢見ていたことや、新しく興味を持ったことにもどんどん挑戦し、第2の人生を思いっきり満喫中の少年の心を持つ普通の親父です。

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家族でつないだ150年と伝統

「祖母がいなければ店はなかった」と話す彰さんは5代目の店主。

父親が3歳の時に祖父が召集。

「あの時代に、女手一つで店を守り続けてくれた祖母には感謝しきれない」と彰さん。

そして、味や食感を守ることはさらに大変とのことで、仕入れ先からはコストの低い材料を提案されることもあるそうですが、「材料と作り方は絶対に変えない」と妥協はしません。

「買い続けてくれるお客さまを裏切れない」という思い、変えない手法、そして譲らぬこだわりが、伝統の味を作っているようです。

逆井こんにゃく店 こんにゃく愛にあふれたスタッフたち。左から、嵐まゆみさん、逆井光子さん、中村光枝さん、彰さん
こんにゃく愛にあふれたスタッフたち。左から、嵐まゆみさん、逆井光子さん、中村光枝さん、彰さん
逆井こんにゃく店 一つずつ丁寧に包装される商品
一つずつ丁寧に包装される商品

客との会話から生まれた新商品

「きな粉が喉に詰まらないところてんはないかね?」、店先で交わした客との会話。

その人は、ところてんに黒蜜ときな粉をかけるのが好きで、食べる時にきな粉が喉に詰まることが分かりました。

彰さんは試行錯誤の末、サイコロ状のところてんを作り提供したところ、食べやすいと喜ばれ、新たな看板商品となりました。

その後も新しい食べ方を発見したり、工夫の輪は広がっています。

「こんにゃくに黒蜜をかけてもおいしいですよ」と教えてくれました。

厳しい現実に負けないこんにゃく愛

店がある関宿エリアは過疎化が進み、商店の数も減る一方です。

「うちも後継ぎはいませんよ」と例外ではない様子。

「頑張ってもあと数年かな」と語る一方、「こんにゃくにはずっと関わっていきたい」とも。

作った商品を目の前で食べてもらえるこんにゃくカフェをはじめ、さまざまなアイデアもある様子。

逆井こんにゃく店 工場に並ぶ出来立ての商品たち
工場に並ぶ出来立ての商品たち
逆井こんにゃく店 子どもたちがヘルシー号と呼ぶ営業車
子どもたちがヘルシー号と呼ぶ営業車

そして「苦労をかけてきた妻をゆっくり旅行に連れていきたい。妻がなんて言うかは分かりませんが」と笑う優しい笑顔が、150年の歴史を語っているようでした。

逆井こんにゃく店 こんにゃくへの愛情と夢を語る彰さん
こんにゃくへの愛情と夢を語る彰さん

逆井こんにゃく店
住所/千葉県野田市東宝珠花548
電話電話/04-7198-0053
日曜・祝日休み
ホームページ/https://www.sakasai-konnyaku.jp/