佐久間 英利さんプロフィール

千葉県商工会議所連合会会長、千葉銀行 前取締役頭取
生年月日/1952年10月1日
出身地/千葉県君津郡中郷村(現木更津市)
趣味・特技/音楽鑑賞、ガーデニング、読書

公開 2025/09/02(最終更新 2025/08/29)

編集部

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千葉・埼玉県在住の編集メンバーが、地域に密着して取材・執筆・編集しています。明日が楽しくなる“千葉・茨城情報”をお届けします!!

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貧富の差に感じた社会の矛盾

農家出身であることが、自分の人格形成に大きな影響を与えたと思っている。私が子どもの頃はガスも電気もなく、ご飯を炊くのも風呂を沸かすのも、まきを使うのが当たり前だった。正月は男性が雑煮を作るのがわが家の伝統だったので、三が日は朝早く起きて父の手伝いをして、火をおこしていた。今でも雑煮は自分で作っている。

当時は機械の導入も進んでいなくて、農業は大変な仕事だと思った。今は女性の活躍や、高齢化や人出不足に悩まされている日本の農業をどうすべきか、障害者の雇用をどう広げていくかについて真剣に考えている。

キャリアをつなげる地銀人材バンク

女性活躍推進については、内閣府男女共同参画局の「働く女性の活躍を加速する男性リーダーの会」に発足メンバーとして参加し、行動宣言を取りまとめて総理官邸で発表した。自分の身近なところでも横とのつながりを活かせないかと考え、もし行員が遠方に転居をしても、キャリアをつないで勤めることができる地銀人材バンクを作った。これは女性行員が結婚で転居した際に、転居先の地銀に紹介したら双方に感謝されたという例が複数あったためだ。大変好評で、今でも多くの人が利用している。

また農業と障害者雇用については、農林水産業と福祉の連携プラットフォームである「農福連携全国フォーラム」を千葉銀行本店に誘致し、活動に参加している。障害者の方々が働いている5カ所の福祉施設を訪れたが、どこも特性を上手に活かして働ける工夫がされていた。

千葉銀行本店で開催された「農福連携全国フォーラムinちば2024」