落花生の老舗・福井商店が取り扱う人気商品「与三郎の豆」シリーズ。粋でいなせな歌舞伎の人気キャラクター「与三郎」の名を冠したとなれば、福井商店の発祥も物語に由来しているのでは?と思いきや、ちょっと違うようで…。福井商店の歴史や、千葉県産落花生に懸ける熱い思い、創業当時から守り続ける味へのこだわりを尋ねました。
公開 2025/09/08(最終更新 2025/09/02)

花
48歳で普通自動二輪免許を取得したへっぽこアラフィフ主婦ライダー。千葉は魅力的なライディングスポットがたくさん!取材と称してソロツーを楽しんでいます。【ブログ】https://ameblo.jp/ohana-hann/
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千葉県産落花生をもとにした商品を取り扱う老舗・福井商店。
実はその歴史は落花生ではなく、創業者の福井總三郎さんによるノリの販売から始まります。
1949年に總三郎さんの長男・順一さんが福井商店を創業。
「千葉で商売をするなら名産を取り扱おう」と落花生の商品を製造・販売することに。
順一さんが代表を、弟・三郎さんが製造を担当。
1953年に總三郎海苔(のり)店と与三郎豆店を合併して法人を設立しました。
「与三郎の豆」はお店で取り扱う商品のブランド名。
「与三郎」は總三郎さんの名前に由来しています。
現在、福井商店の代表を務めるのは三郎さんの息子・晶一さん。
「ついこの間まで80歳の職人が現役で、千葉県柏市から通っていたんですよ。今は弟子にその技を伝授して引退しました」と晶一さんが語るように、福井商店は晶一さんの長男・亮平さんや次男・淳平さんをはじめ、熟練の職人やベテラン従業員がこだわりの豆製品を製造しています。
福井商店では落花生メーカーの強みを生かし、落花生の栽培から自社工場による加工・直営店の販売に至るまで、一貫して製品を管理。
落花生は全て人の目で複数回選別し、職人が遠赤外線ロースターで丹念にいり上げます。

福井商店を語る上で外せないのが、大切に使い込まれた機械が並ぶ自社工場。
晶一さん自らメンテナンスを行い、中には50年以上現役で稼働している機械も。
「豆製品を作るのと同じくらい機械いじりが好き。症状を見れば自分で修理できます」と語る晶一さんは、何とメンテナンスのみならず、新商品「燻製(くんせい)バタピー」専用燻製機も自作してしまったのだとか!
昔ながらの味を守り続ける「与三郎の豆」の秘密は、この機械たちにも隠されているのかもしれませんね。

千葉県産豆でなければ意味がない

「与三郎の豆」のもう一つのこだわりは、選び抜かれた原材料。
豆菓子製造に欠かせない、餅粉で作った寒梅粉(かんばいこ)や小麦粉、バタピーを揚げる米油などが値上がりする中でも、福井商店では品質を変えることなく同じものを使用しています。
「原価はかかりますが先代が始めてしまったものだから仕方ない(笑)。代々続けてきた製法・原料・味付けを守る責任があるんです」と晶一さん。
また福井商店では、外国産の落花生は使用せず、千葉県の契約農家がこだわりの栽培方法で育てた新鮮な豆を使用し続けています。
晶一さんはその理由を「落花生の生産は労力の割に単価が低く、廃業してしまう農家さんも少なくありません。私たちが千葉県産の落花生にこだわるのは、安全で安心であることや味がいいことはもちろん、農家さんを守りたいという思いがある。千葉県産落花生でなければ、うちでやる意味がないんです」と語りました。

人気商品を食レポ!
「ちいきの逸品」だけのオリジナル詰め合わせも

作り手の心が込もった福井商店「与三郎の豆」。
いよいよ実食してみます。
まずは比較的あっさりとした甘みが特徴の「ナカテユタカ」の殻付き落花生。
畑や豆の乾燥具合、粒の大きさを踏まえ、豆の味を引き出すように、職人がいり上げたのだとか。
亮平さんが「渋皮ごと食べてもらったら違いが分かる」と太鼓判を押すように、渋皮に苦みやえぐみがなく香ばしい!
かむたびに油分が甘みとなって口いっぱいに広がります。
素材そのものの味を存分に楽しむことができました。
次はおやつやおつまみに外せない「バタピー」。
揚げ油に米油を使用しているためか軽い味わい。
ヘルシーなのもうれしい!
ちょうどいい塩加減に、次から次へと手が伸びてしまいます。
晶一さんによると「ピーナツを食べすぎると鼻血が出るといわれますが、都市伝説です。ピーナツは栄養価も高くおやつにおすすめ。とはいえ、ほどほどにしてくださいね」とのこと。
おつまみやおやつにぴったりの、イカの風味が香ばしい「ちょぼいか」や寒梅粉の衣をまとった大豆のうまみが後を引く「あとひき豆」、ちょっぴり辛いハイカラなピーナツ「ハイピー」に「とんとんとんがらし」、かと思えば甘くてお茶請けにもおすすめの「あんこピーナツ」「黒蜜きなこ」といったバラエティー豊かな豆菓子も、手が止まらなくなるおいしさです。
老若男女問わず愛される落花生はギフトにぴったりですが、今回は気軽に落花生を楽しんでほしいと、福井商店が選び抜いた「ちいきの逸品」だけで購入できるラインアップを用意しました。
「から付落花生」にお酒との相性抜群の「燻製バタピー」、ほろ苦い甘さがくせになる「コーヒー糖」やさまざまな味が一袋になった「千味豆」と、これを押さえれば間違いない、いわば福井商店の入門セット。
化粧箱入りでお届けなので、気の置けない仲間へのギフトにもおすすめです。
落花生大国・千葉の小売店だからこそ生み出せるこだわりの味。
ぜひお楽しみください。
