佐久間 英利さんプロフィール

千葉県商工会議所連合会会長、千葉銀行 前取締役頭取
生年月日/1952年10月1日
出身地/千葉県君津郡中郷村(現木更津市)
趣味・特技/音楽鑑賞、ガーデニング、読書

公開 2025/09/09(最終更新 2025/09/04)

編集部

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千葉・埼玉県在住の編集メンバーが、地域に密着して取材・執筆・編集しています。明日が楽しくなる“千葉・茨城情報”をお届けします!!

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農園でクラウドファンディングに挑戦

農林水産業で障害者が働くことを目指す「農福連携全国フォーラム」の活動を応援している。千葉銀行本店で行われたこのフォーラムでは、熊谷千葉県知事や神谷市長にもご参加いただき、千葉県での活動の活発化の第一歩となった。

実際に障害者の方々が働いている施設を見て回った。帝人ソレイユ・ポレポレファーム、恋する豚研究所、社会福祉法人土穂会ピア宮敷特、定非営利活動法人一粒舎、特定非営利活動法人ジョブファームの5カ所だ。施設のひとつ、木更津市の一粒舎の代表の方の「障害者も根気よく仕事を教えればちゃんと理解できる」という話が印象に残った。水道がなく困っていると聞き、施設の存在を知ってもらうという目的も兼ねてクラウドファンディングに挑戦した。

人力だけで掘削が可能な「上総掘り」

人力で井戸を作る「上総掘り」を知っているだろうか。江戸時代に千葉県上総地方で考案され、先端に鉄の管をつけ、進むにつれて竹ヒゴを継ぎ足していくため深く地中を掘ることが可能という技術だ。80代の職人が2人しか残っていないのだが、施設の方がその伝統を引き継いでぜひやってみたいと、挑戦することになった。最終的に約550万円の資金集めに成功し、盛大に上総掘りの竣工式が行われた。

銀行経営の一線を退いた今は、社会の矛盾の解消に向けて、障害者の雇用を広げ、農業の人手不足を解消するような試みを全力で後押ししていきたいと願っている。弱者に目を向け、助け合う社会の広がりに少しでも寄与できれば、こんなに嬉しいことはない。

本シリーズ「私の航海日誌」は次回以降、別の語り手となる。今後は読み手として楽しみにしている。

「農福連携全国フォーラム2024inちば」にて