健康できれいな「歯」は、生き生きとした笑顔や若々しい表情を生み出し、気持ちも前向きに。
歯科治療は機能面の回復だけでなく精神面にも大きく影響します。
お話を聞いたのは

さかえ歯科クリニック
院長 山本信一さん
1990年、松戸市で開業。インプラント治療歴33年
公開 2025/09/10(最終更新 2025/09/09)

審美歯科のメリットとデメリット
歯には年齢が表れるといわれます。
年を重ねると歯が黄ばんでくることがその理由の一つですが、歯の表面のエナメル質が薄くなり内側の象牙質の色が透けて見えるようになることや、象牙質自体の黄色みが強くなることが主な原因です。
コーヒーや紅茶、赤ワインなど飲食物の着色汚れ(ステイン)、喫煙者ならヤニ汚れなどの蓄積も歯の黄ばみを引き起こします。
日々の汚れは毎日の歯みがきで落とせますが、長年蓄積された黄ばみ、加齢による黄ばみから歯の白さを取り戻すには審美歯科治療が効果的です。
審美歯科は、歯の健康を維持するだけでなく「歯の見た目を良くする」治療を行います。
歯を白くするホワイトニング、歯並びを整える矯正治療、セラミック治療やラミネートべニア治療、エステ義歯(審美義歯)などがあります。
歯の見た目が良くなると、「清潔感があり好印象を与えられる」「若々しさを保てる」「笑顔に自信が持てるようになる」など精神面にも大きな影響があります。
デメリットは、保険適用外のため自費診療となること。
治療内容はもちろん、費用面も含めて丁寧に説明してくれる歯科医師に依頼するようにしましょう。
生活の質を高めるインプラント治療
むし歯や歯周病、歯槽膿漏(のうろう)、または事故などで歯を失うと、両隣の歯が傾き出し、かみ合わせが悪くなります。
歯のバランスが崩れると全身の健康にも影響するため、入れ歯やブリッジ、インプラントなどの義歯治療を行います。
入れ歯は取り外せるので洗浄しやすいものの、固定力が弱いので装着時に違和感があり、しっかりかめないデメリットがあります。
「入れ歯にしたら食事が楽しめず、外すところを見られたくないので友人と旅行に行かなくなった」という声も。
ブリッジは失った歯の両隣の歯を削って装着するので固定力は上がりますが、健康な歯を削ることにはさまざまなデメリットがあります。
インプラントは、失われた部分のあごの骨に土台を埋め、その上に人工歯根を装着させる治療法です。
自然な見た目で、違和感なく、しっかりかめるようになります。
周囲の歯への影響もほとんどなく、長持ちしやすいのもメリットです。
当院の患者さんで年の差2〜3歳のシニア姉妹がおられるのですが、25年前、一人はインプラント、一人は入れ歯を選びました。
今、インプラントの方は実年齢よりも若々しく、外食や旅行も元気に楽しんでおられます。
デメリットは、保険適用外(全額自己負担)のため治療費が高くなること。
定期的なメンテナンスも必須です。
治療内容やインプラント体の品質、メンテナンスや保証期間などの費用が明確で、インプラント治療の経験・実績が豊富な歯科医院を選ぶと良いでしょう。
なお、インプラントは外科的手術のため、糖尿病や骨粗しょう症などの全身疾患がある人は受けられない場合もあります。
まずは、かかりつけの歯科医に相談してください。
義歯治療のメリットとデメリット
【入れ歯】

メリット
・取り外しができるので洗浄しやすい
・保険適用(3割負担)の場合1万円~1万5000円前後で作れる
デメリット
・固定力が弱いため、装着時の違和感や使用中に外れることも
・クラスプ(金属製のバネ)が目立つ
・しっかりかむことができない
【ブリッジ】

メリット
・固定力が高く、装着時の違和感が少ない
・取り外す手間がない
デメリット
・失った歯の両隣の健康な歯を削る必要がある
・義歯を支える両隣の歯に負荷がかかり、歯の寿命が縮まる
・固定式なのでケアが難しい
【インプラント】

メリット
・しっかりかめる
・自然な仕上がり
・違和感が少ない
・周囲の歯に影響を与えにくい
・長持ちしやすい
デメリット
・保険適用外のため治療費が高額になる
・治療期間が長い
・継続的なメンテナンスが必要
・あごの骨の状態や全身疾患などの影響で受けられない場合もある