「まだまだ元気」「あれもこれも楽しみたい」…シニアライフをエンジョイするために、元気な今こそ「葬儀」について考えてみませんか。
教えてくれたのは…

葬祭業歴29年。2014年に出身地の野田市で「あさひ葬祭」を開業
公開 2025/09/10(最終更新 2025/09/09)

気力・体力があるうちに準備しよう
葬儀に関するトラブルが後を絶たないのはなぜでしょうか。
それは、葬儀には当事者になって初めて知ることがたくさんあり、利用者のほとんどが知識不足、準備不足であること。
その上、大切な人を失うという精神的に不安定な状態で、短時間のうちに決断しなければならないことがたくさんあるからです。
残念ながらそこにつけこんで、本来不要な費用を加算するような業者の例が多数報告されています。
「まだ元気なのに葬儀のことなんて考えられない」もしくは「考えたくない」と思われるかもしれませんが、葬儀社に話を聞きに行ったり、式場を見学したり、見積もりを取るなどの事前準備は、気力・体力・判断力のあるうちに済ませておくと、その先も安心して過ごせるのではないでしょうか。
また、葬儀について故人や家族・親族と事前に話していなかった場合、喪主となる人は、慌ただしい中で一から決めていかなければなりません。
口に出しにくい話題かもしれませんが、子世代にとっても事前準備は必須といえるでしょう。
その際は、最低でも2社以上から丁寧な説明を受けることができれば、葬儀に関する理解を深められるでしょう。
葬儀内容について
日本で行われる葬儀のおよそ9割が仏教式ですが、近年は核家族化が進み、特定のお寺を持たない人や仏教式の葬儀を行わない人も増えています。
中には、遺影ではなく故人が描いた絵を祭壇に飾るといった自由度の高い式も。
なお、先祖代々で檀家としてお付き合いがあるなら、お寺の方針に従う必要があります。
多発しているトラブル事例から学ぼう
CASE1 費用について
チラシに掲載されていた費用の安さにひかれて、ホームページを確認。内容も大丈夫そうと判断し、ネットで葬儀プランを申し込んだところ、お供えの花が生花ではなく造花。「生花にするなら最低○○万円からです」と、異なるプランを提示され…。
<対策>
チラシやネットだけで判断せず、実際に会って業者の説明を受けるようにしましょう。希望の内容を実現した場合、追加料金が掛からないかどうかしっかり確認を。
CASE2 火葬場の予約について
最近は火葬場が混み合い、火葬までに日数がかかることも少なくない。「火葬場が空いていないので○日間の安置が必要」と言われて追加料金が発生した、エンバーミング(遺体を数週間保存するための処置/約16万円~)を勧められて、想定外の出費が…。
<対策>
現在、ウェブから予約を行う火葬場が増えています。予約状況も確認できるので、本当に空いていないかどうか見ることができます。
CASE3 家族葬について
親族や親しい友人のみが参列する家族葬を選んだ場合も注意が必要です。故人の希望で小規模にしたものの、後から訃報を知った親戚からクレームが入るケースも。葬儀後に伝えるとトラブルになるので、葬儀前に必ず知らせておきましょう。
<対策>
訃報を伝える際には「故人の生前の意向で家族葬で葬儀を行いたいと思いますのでご了承ください。親戚付き合いは今後ともよろしくお願いします」と事情を含めた丁寧な言い回しを。
これだけは確認しておこう!
同居していない親子なら、お盆や年末年始、法事などで顔を合わせた時に話をしておきましょう。
□ 送り方(火葬、一日葬、家族葬、一般葬、その他)
※菩提寺によっては一日葬や直葬NGもあるので事前に確認を
□ 宗教・宗派
(仏教式、神道式、キリスト教、無宗教、その他)
□ 会葬者人数
□ 式場
(自宅近辺の式場、菩提寺、自宅、集会場、その他)
□ 安置場所(自宅か自宅以外の専門施設か)