一茶双樹記念館は、江戸時代の俳人・小林一茶と、流山の地でみりんの醸造を行った五代目・秋元三左衛門(あきもとさんざえもん)(俳号・双樹)との交流を記念して設立されました。

公開 2025/09/29(最終更新 2025/09/24)

ちいき新聞ライター

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地域を超えて愛される和文化施設へ

一茶双樹記念館は、小林一茶の庶民的で温かみのある人柄と世界観を感じられる作品の他、流山市の地域文化や歴史、みりん造りに関する展示と、和文化活動の場として俳句や茶道など教室や、施設の貸し出しも行っています(有料/予約制)。

一茶の石碑
一茶の石碑

髙橋亨子館長をはじめスタッフは毎朝、庭の「つくばい」に季節の花や葉をあしらうなど、この施設での仕事を楽しんでいます。

つくばい
つくばい

庭園を眺めながら縁側でお茶を一服

幕末ごろの商家建築を再現した「秋元本家」、秋元家八代目の祝言に際して新築したと伝えられる書院を建築当初の姿に復元した「双樹亭」と、双樹亭に調和するように造られ、茶室がある「一茶庵」から構成される同館。

建物にはガラス戸が入っていないので、枯山水庭園を直接眼で見て、季節を肌で感じながら一句詠んだり、縁側でお茶を楽しんだり。

「縁側カフェ」では抹茶(らくがん付き)400円など通常メニューの他、季節限定メニューも登場します。

枯山水の庭
枯山水の庭

守り続けたい伝統 建築と枯山水庭園

釘(くぎ)が使われている部分には鳥や植物形の「釘隠し」が。

縁側は回り廊下なので、雨戸の開閉をしやすいよう角部分で回転する工夫がされています。

縁側の釘隠し
縁側の釘隠し

外国人観光客にはまだあまり知られていませんが、「心が落ち着くから」と、ここを目的に何度も来日している家族もいるそうです。

髙橋館長は就任して1年過ぎたばかりですが、「枯山水は石や木々すべてに意味があり、正しく手入れをすることで全体を見渡せるように植樹されています。今後も職人さんにお願いしながら、本来の枯山水と茶庭を生かしたい。これからも日々勉強です」と、館への強い愛を感じる話が聞けました。(取材・執筆/平田涼)

天晴通りに面した入り口
天晴通りに面した入り口

住所/千葉県流山市流山6-670-1
開館/午前9時~午後5時
休館/月曜日(祝日の場合は翌日)および年末年始
料金/観覧無料

問い合わせ
電話番号/04-7150-5750
インスタグラム/https://www.instagram.com/issasouju.kinenkan/