我孫子市内にある記念館の敷地面積は約1500坪。「杉村 楚人冠(すぎむらそじんかん)」の名前は耳にしたことはあれど、でも何をした人? なぜ我孫子に? そんな偉人を分かりやすく漫画で解説する冊子が話題です。

公開 2025/09/29(最終更新 2025/09/26)

ちいき新聞ライター

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子どもたちに興味を持ってほしい

杉村 楚人冠をひとことで紹介すると「明治末期から昭和にかけて活躍したジャーナリスト」です。

1923(大正12)年の関東大震災をきっかけに我孫子の別荘地に移住。

亡くなるまで過ごした邸園は、現在、杉村楚人冠記念館として一般公開されています。

楚人冠が使っていた書斎
(我孫子市杉村楚人冠記念館)
楚人冠が使っていた書斎 (我孫子市杉村楚人冠記念館)

今回、同館学芸員の武藤真奈さんが執筆を担当した、我孫子市文化財報告第24集『漫画で解説! 楚人冠ってどんな人?』が話題を呼んでいます。

漫画で解説! 杉村楚人冠 漫画に登場する 椿ちゃんと広太郎くん
漫画に登場する 椿ちゃん(左)と広太郎くん(右)

夏休みの展示を企画する際「子どもたちにこの偉人に興味を持ってもらうには?」と考え、「自分も子どもの頃に漫画で読む歴史の本が好きだった」と、漫画にすることを思い立ったそう。

漫画で解説! 杉村楚人冠 作者で学芸員の武藤真奈さん
作者で学芸員の武藤真奈さん

絵や漫画を描くことが好きな武藤さんならではの発案でした。

難しい言葉や出来事を漫画で伝える

冊子は、楚人冠の幼少期から晩年までのエピソードを4コマ漫画で紹介し、解説を付けたもの。

漫画で解説! 杉村楚人冠 漫画に登場する 椿ちゃんと広太郎くん
楚人冠のエピソードを4コマ漫画で分かりやすく伝える

登場人物のせりふや表情が面白く、「子ども向けに作ったはずが、意外にも大人からの反響が多くて驚きました」と武藤さん。

全30話に絞るのがとても大変だったそうで、「厳選した30話も、深く掘り下げて解説すると1話で1冊作れてしまうほど。続編の構想もあります」

そして「楚人冠を知っている人も知らない人も、この本をきっかけにもっと知ってほしい。記念館を訪れて邸園を散策すれば、我孫子の自然も含め楚人冠が守りたかったものを感じられると思います」と話してくれました。

冊子は1冊400円で同館で購入できます。

(取材・執筆/かと)

我孫子市杉村楚人冠記念館
住所/千葉県我孫子市緑2-5-5
開館/午前9時~午後4時30分(入館~午後4時)
休館/月曜日(祝日は開館、翌平日が休み)
入館料/一般300円、高校・大学生200円、中学生以下無料

問い合わせ
電話番号/04-7187-1131
https://www.city.abiko.chiba.jp/event/shiseki_bunkazai/sugimurasojinkan/index.html