家事や育児、仕事に介護など、マルチタスクに追われている日常…。
今だけ呼吸に意識を向けて、ちょっとだけ立ち止まってみませんか。
教えてくれたのは…

(株)マインドフルネス代表取締役関根朝之さん
自身の不眠の経験からマインドフルネスを研究し、心身の健康を整えるためにマインドフルネスを生活に取り入れるメソッドを構築。著書に『脳を鍛える超呼吸法』(角川書店)。
公開 2025/10/22(最終更新 2025/10/20)
呼吸が生み出す快眠習慣
マインドフルネス(瞑想)とは「今この瞬間に意識を向けて、ありのままを受け入れる」こと。
その実践方法として最も身近で取り入れやすいのが呼吸に注意を向けることです。
私たちは1日に2万2千回以上呼吸をしていますが、自律神経にアプローチできる唯一の方法は呼吸のみ。
自律神経には交感神経と副交感神経の2種類があり、よく眠るためには副交感神経を優位にすることが大切です。
「呼吸に意識を集中して、ゆっくり吸ってゆっくり吐く」これを繰り返すことで副交感神経が優位になり、脳がリラックスして、アルファ波が出ます。
アルファ波は幸せホルモンと呼ばれるセロトニンを生成、セロトニンがあるとメンタルの安定につながり、ストレスに強くなります。
そしてセロトニンは夜になると快眠ホルモンのメラトニンへと変化、睡眠の質が上がります。
今日からできるマインドフルネス
大事なのは呼吸に集中すること。そうすれば3回でも5回でもいいし、1回でも構いません。
座るか横になるか、自分の心地よい姿勢で行ってください。
腹式呼吸を行うと横隔膜の動きが副交感神経を刺激し、心拍数を減少させて体をリラックス状態に導きます。
またマインドフルネスには呼吸瞑想以外にもいろいろな方法があります。
その時々の気分に合わせて、気軽に日常に取り入れてみては。
今に集中して、気持ちの落ち着きを取り戻し、自分らしい眠りと暮らしを見つけていきましょう。
呼吸瞑想前にやると効果的なストレッチ
〈肘ライトストレッチ〉
1.肘を曲げて、肩を触る(触れない場合は近づけるだけでもOK)

2.前、上、横、後ろに大きな円を描くイメージで肩を回していく

〈背筋ストレッチ〉
1.腕の前で手を組み、息を吐きながら背中を丸めて、手を前に伸ばす

2.手を胸の下に引き付けて、鼻から息を吸いながら、肩を落として肩を後ろにし、顎を上げて首を伸ばす

【こんなマインドフルネスも】
●ボディスキャン瞑想…ゆっくり呼吸しながら自分で自分の手当てをするイメージで時間をかけて全身の感覚を確かめ、体の隅々に意識を向けていきます。横になってもできます
●感謝瞑想…一日の終わりに今日の出来事を振り返り、「良かったこと」と「感謝したいこと」を思い浮かべます
●マインドフルイーティング…食べることに集中して、ゆっくりかんで香りや食感、味を確認しながら丁寧に食べます
●マインドフルリスニング…相手の言葉や感情に評価や批判をせず、今この瞬間の内容に全神経を集中させて聴きます
●ジャーナリング…頭に思い浮かんだ思考や感情を制限なくノートに書きだしていきます。パソコンやスマホではなく、手で書くことで感情が出てきやすくなります