公開 2025/11/03(最終更新 2025/10/24)
昔は朝廷への献上品だった
本州の関東以南の暖地や、朝鮮半島の山地に自生するアケビ科ムベ属の常緑つる性木本で、別名「トキワアケビ」。
4月下旬ごろ、内側が淡い紫色の白い花を多数咲かせ、晩秋にはアケビに似た楕円形の赤紫色の果実が実ります。

果実は甘く、生食も可能。
割れにくいため観賞用としても長く楽しめます。
ムベは天智天皇の時代、「大贄(おおにえ)(※)」の一つとして記録があり、この実を食した天皇が「むべなるかな(なるほど評判通りのおいしさだ)」と感心したことに由来するという説があります。
(※)古代、朝廷に献上した地方の特産物で特に立派なもの

「長命樹」とも呼ばれる縁起木
常緑で光沢のある美しい葉は3・5・7枚と奇数で構成されるため、縁起を担いで植える人も。
病害虫も特になく、つるがよく伸びるため、生け垣や棚仕立て、アーチなどとして和風・洋風どちらの庭にも調和し、盆栽としても利用されます。
(樹木医Y・K)