幕張育ちの写真家、早坂卓(たかし)さんは、日本大学芸術学部写真学科を卒業後、東京でカメラマンアシスタントを経てフリーとなり、1987年に十数年ぶりに故郷に帰ってきました。そこで早坂さんが見たものは、見慣れた穏やかな海ではなく、埋め立てられた荒野とそこに立つ「幕張メッセ」の看板でした。

公開 2025/11/11(最終更新 2025/10/31)

ちいき新聞ライター

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未来都市への変貌 記録に使命感

幕張新都心をゼロから見守った写真家の新たな挑戦
原点となった1987年の幕張新都心

かつては潮干狩りでにぎわった半農半漁の町に、人工的な未来都市が出現するーー。

時々刻々と変化する過程を記録するチャンスに、早坂さんは「使命感を覚えた」と話します。

それ以降、10年にわたり、朝に夕に幕張新都心に出かけて収めた写真は1万カットを超えました。

金属とガラスで構成されるビル群の美しさ。

夕日の残照を浴びて無気質なビルが幻想的なオブジェに変わる姿など、まちのさまざまな姿を収めた写真集『幕張新都心』を1997年に自費出版。

その後も早坂さんは定点観測を続けながら、数々の写真集を出してきました。

幕張新都心をゼロから見守った写真家の新たな挑戦
幕張新都心と富士山

区画整理された幕張町に芸術村を

2023年3月に、ワールドビジネスガーデンで25年間継続した早坂卓作品常設ギャラリーを閉館し、同年7月にJR幕張駅北口の区画整理地内に「Taku幕張町Gallery 」を開設。

幕張新都心をゼロから見守った写真家の新たな挑戦
オープンしたギャラリーの前に立つ早坂卓さん

早坂さんは「ここは自作を展示するだけでなく若手アーティストの育成、まちおこしの拠点としても活用したい」と話します。

11月には、彫刻や鍛金、書などのアート作品の展示に加え、古書店やカフェの出店も予定しています。

(取材・執筆/夕凪)

第2回アート&ブックマルシェ ──アートを部屋に飾ろう──
写真、絵画、鍛金、書、本などを紹介。
展示作品は販売。

※カフェ月読(つくよみ)ギャラリー内に期間限定オープン
11月22日(土)・23日(日)

日時/11月22日(土)~27日(木) 午前11時~午後5時30分
場所/Taku幕張町Gallery
料金/入場無料

問い合わせ
メール/takuhaya24@gmail.com

ホームページ/https://gallery.taku24.com/