2004年、栃木県で虐待によって幼い兄弟が死亡する痛ましい事件が起こりました。このような悲劇が繰り返されないよう、児童虐待防止を目指して始まった市民運動が「オレンジリボン運動」です。

公開 2025/11/06(最終更新 2025/10/31)

子どもの虐待をゼロにするために

児童虐待の防止法の改正を求めて2001年に設立された「児童虐待防止法の改正を求める全国ネットワーク」は、2006年に「児童虐待防止全国ネットワーク」と名称を改め、以後本格的にオレンジリボン運動の普及に取り組んでいます。

近年、児童虐待に関する相談件数は増加傾向。

「深刻な社会問題であることは変わりありませんが、相談件数の増加は、虐待に対し周囲や当事者の認知が高まった結果という見方もできます」と話すのは、児童虐待防止全国ネットワーク事務局長の鳥居さん。

これまでは見過ごされてきた事案が通報につながり、適切な支援を受けられる子どもが増えているとのこと。

「とはいえ、十分といえる状況ではありません。オレンジリボン運動自体の認知率は10%に届いておらず、周知広報の必要性を感じています」

関心を持つことがまずは第一歩

児童虐待と聞くと、体罰などのイメージがありますが、子どもの前での激しい夫婦げんか、衣食住のケアを保護者が放棄するネグレクトなども虐待に含まれます。

加えて、虐待は保護者の置かれた状況に原因があることも少なくありません。

「子育てがつらいと感じたら一人で悩まず、自治体の窓口や市民団体を頼ってほしい」と予防の重要性も訴えます。

11月は、子ども虐待の防止を呼びかけるキャンペーン月間。

各地でさまざまな催しも開かれます。

「まずは知り、関心を持つことから始めてください」と鳥居さん。

全ての子どもたちの命と尊厳が守られる社会にするために、一人一人ができることを考えるきっかけに。

「オレンジリボン運動」を知っていますか?児童虐待防止を目指す
各地でイベントも開催(写真は昨年の「びわ湖一周オレンジリボンたすきリレー」)

子育てがつらい時は…
電話番号/0120-189-783
児童相談所相談専用ダイヤル

虐待かもと思ったら…
電話番号/189
児童相談所虐待対応ダイヤル(通話無料)