「悪性ラブドイド腫瘍」という極めて希少で難治性の小児がんを患った、「なっちゃん」こと今村なつさん(4)。つらい治療を乗り越えて寛解。母・絵里さんは「支えてくれる人がいたからこそ今があります」と語ります。

公開 2025/11/10(最終更新 2025/11/07)

ちいき新聞ライター

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診断がつけばきっと治してもらえる

「初めは首の右側にしこりのような塊があったのですが、本人に苦しむ様子はありませんでした」と絵里さん。

発病は急にやってきました。

今村なつさん 病気が発覚したときは2歳。首にしこりのような塊が
病気が発覚したときは2歳。首の右側にしこりのような塊が

当初は原因が分からないので消去法で治療を行ったところ、抗がん剤治療で効果を確認。

そして手術を行って出た診断結果は「悪性ラブドイド腫瘍」。

治った症例はほぼない病気でした。

絵里さんは「先が見えない不安に包まれましたが、やれることはすべてやると決めました」と振り返ります。

なっちゃんの入院中の楽しみは…

入院中は治療・検査の繰り返し。

なっちゃんの楽しみは、姉・すずさんのバレエ発表会のDVDを見ることでした。

何回も何回も繰り返し見ては、まねをしてベッドの上で踊っていたそうで、点滴がつながっていても、手術後でドレーンが付いていても踊りたがったとか。

今村なつさん 入院中のなっちゃん。つらい治療も 笑顔で乗り越えました
入院中のなっちゃん。つらい治療も 笑顔で乗り越えました

夢は「退院したらバレエを習いたい」。

つらい治療を乗り越え、寛解したなっちゃんは、その夢をかなえます。

夢の実現、バレエの発表会に向けて

夢は現在も進行中です。

「元気にバレエを習えていることが奇跡で、先生方のおかげでかけがえのない時間を過ごすことができています」と絵里さん。

11月24日(月・休)に開催される初めての発表会を前に、練習にも熱が入ります。

今村なつさん レッスンを受けるなっちゃん
レッスンを受けるなっちゃん
今村なつさん 発表会に向けて練習中
発表会に向けて練習中

家でもすずさんと一緒に練習。

「かわいい衣装を着て踊るのが好き」と笑顔を見せるなっちゃんは、「発表会を見に来てくれる人に喜んでもらいたい、笑顔になってもらいたい、という思いを込めて一生懸命踊ります」と話してくれました。

今村なつさん レッスン後に親子で。左から絵里さん、なっちゃん、姉・すずさん
レッスン後に親子で。左から絵里さん、なっちゃん、姉・すずさん

「不安な日々も、がんを乗り越えた友人の『治療法はどんどん進化しているから、一日でも先にいけば新しい治療や負担の少ない治療が出てくるはず』という言葉に励まされました。いま闘病中の人も、どうか希望を持って、日々を大切に過ごしてほしいです」と絵里さん。

今村なつさん

(取材・執筆/あやの)

第10回スワン容子バレエ教室発表会
日時/11月24日(月・休)午後4時30分~午後7時(午後4時開場)
場所/柏市民文化会館大ホール
住所/千葉県柏市柏下107
料金/入場無料
※問い合わせ
電話番号/090-5753-3230 龍岡