全国の消防本部(局)から46事例の応募があった、第9回予防業務優良事例表彰。選考会議を経て、印西地区消防組合消防本部が消防庁長官賞を受賞しました。
公開 2025/11/26(最終更新 2025/11/17)
ソバ
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記事一覧へ全国の消防本部から予防事例を募集
予防業務優良事例表彰は、各消防本部の予防業務の取り組みのうち、他団体の模範となるものについて、当該の消防本部を表彰し、予防部門のモチベーション向上や業務改善などのために設立されました。
今回は全国から46事例の応募があり、同消防組合は2月に起きたデータセンターの火災後の事例を応募し同賞を受賞しました。

予防業務を警防業務へ生かす
昨年2月、印西市内のデータセンター内で火災が発生。
蓄電池設備1基が焼損し、鎮火までに約7時間を要しました。
鎮火まで時間がかかった要因として、消火に当たった消防士から3つの疑問点が挙げられました。
(1)建物構造や消防用設備への知識が十分であったのか(2)火災時における建物関係者や警備員の連携が機能していたのか(3)電気火災に関する有効的な消火活動ができていたのか。
これらの疑問点を改善するため、(1)出火原因の究明と延焼メカニズムの特定(2)消防士は火災現場活動および消防用設備の作動状況を共有し、データセンターの構造や消防用設備についての知識を習得することなどの5つの対策を立てました。
実践した成果として、(1)出火原因を特定し、延焼していく過程を把握することができ(2)より実効性の高い消防計画の見直しができました。
こうした取り組みを消防庁は火災の原因究明と再発防止という予防業務を組織全体の取り組みとして結び付けたと評価。
予防に関しては、火災の発生メカニズムの解明や再発防止対策を実施することができたとし、警防活動では、消火方法や危険性を検証し、効果的な消火戦術を確認したことが評価されたそうです。

技術のさらなる高度化・火災予防へ
同消防組合消防本部印西西消防署の村越広行・予防係長は「地道な取り組みが評価されたことで、達成感があります」。
谷口健太・同係員は「組織全体の努力が評価されたことへの喜びはひとしおです」と話します。
技術のさらなる高度化を目指し、調査員の育成、外部機関との連携強化を図ることで、複雑な火災原因究明に対応できる組織体制を構築し、市民への火災予防や情報提供に取り組んでいくそうです。