インタビューは1時間。松戸市長が政治家を志すことになったきっかけから、愛する松戸のわくわくする将来像まで、たくさんお話しいただきました。
公開 2025/11/26(最終更新 2025/11/25)
目次
Q 市長就任から約5カ月(取材時)。公務はいかがですか?
松戸市長(以下、松) 県議会議員時代には訪れなかった地域に行けて、いろいろなお話を聞くことができてとても勉強になりますが、松戸も広いので時間が足りないのが悩ましいです。
各地域で受け継がれてきた素晴らしい伝統芸能や、若い人たちが取り組む新しいイベントもたくさんありますが、PR不足が課題。もっと市民の皆さんに広く知っていただけるよう発信しなければと感じています。

Q 市長になって、昔馴染みの皆さんの反応は?
松) 私は小学生のころから将来の夢として外交官や政治家、まちづくりの仕事をしたいと口にしてきたので、昔馴染みからは「初志貫徹だね」「やっと市長か!」と励まされています。幼少からの顔見知りが暮らすまちの市政を担うことができ、やりがいを感じます。
Q 政治を志したきっかけは?
松) 実家のラーメン店がバブル崩壊で一度倒産し、苦労する両親の姿を見てきました。当時、企業倒産が続いた時期で「日本は一体どうなるんだろう」「政治から変えていかなければ」と感じ、経済を立て直して、住み良いまちづくりがしたいと思いました。
高校で生徒会長を務め、日々奮闘する中で少しずつ学校を変えているという手応えを感じられた経験から、目標はゆるぎないものになりましたね。
Q 新市長として期待を感じていることは?
松) 「新しい市長になったんだから新しい松戸にしてくれよ」という期待を感じます。隣の流山や柏などで新しいまちづくりが進む中、「松戸には元気がない」と。
タウンミーティングでもさまざまな意見がありますが、「松戸をより良いまちにしたい」という願いは共通。将来のまちづくりを担う高校生や大学生から意見を聞く機会も設けたいと考えています。こちらから出向いていく出張タウンミーティングも面白いかと。
Q 「松戸を元気に」のプランの中でも特に注目は?
松) 都心隣接なのに緑が豊かなのが松戸のいいところ。市民の憩いの場の「21世紀の森と広場」や「常盤平のさくら通り」を、もっと魅力あるスポットとして整備していきたいと考えています。
誰もが元気に生き生きと過ごすために、スポーツにも力を入れたい。プロスポーツクラブの誘致も視野に、松戸のまち全体がスポーツで盛り上がるような施策を考えたいですね。
高齢者が安心してウオーキングに取り組めるよう歩道を整備してベンチも設置すれば、まちの美化と防犯にもなり一石三鳥。学校の校庭に照明を設置して、夜間のスポーツ活動に活用することも検討しています。
また、松戸と言えばやっぱりラーメン。県外・海外からの観光客誘致の仕掛けとして「ラーメンミュージアム(仮)」構想も。箱物にこだわらず、柔軟な発想で取り組んでいきます。

Q 箱物と言えば、市庁舎の建て替えは?
松) 耐震問題を抱えていますので急がなくてはなりませんが、各種手続きや提出物もネットやオンラインで可能な時代になって、建物の規模はぐっとコンパクトにできると考えています。その分、出張所を増やして、各地域でスムーズに対応できるようにしていきたいですね。
いずれにしても資金が必要です。松戸市の財政状況を議員の皆さんに包み隠さず全て公開し、その上で議会と対話をしながら進めようと、今年8月に全員協議会を開きました。大幅な赤字を抱える市立総合医療センターの経営を見直し、使うべきところに正しく税金を使えるよう舵取りをしていきます。
Q もし「将来市長になりたい」という子どもがいたら、いま何を伝えたいですか
松) 将来何を目指すにしても、まずは自分のまちを好きになってほしい。たくさん遊んで健康な体を作って、地元のお祭りや行事にも参加して家族以外の大人たちとも関わって、いろいろな体験をしてください。
それがあれば、進学や就職で市外・県外に出ても自分が育ったまちへの愛着はなくならないと思います。「いつか恩返しがしたい」、松戸をそう思える「みんなのふるさと」に育てていきましょう。