成田空港で空港旅客サービスなどを手がける株式会社グリーンポート・エージェンシー(GPA)が生み出すクラフトビールやジン、カレーなど、多彩な“旅する食体験”が人気を集めています。地域の素材を生かしたこだわりの味わいは、出発前後のひとときはもちろん、自宅でも旅気分を楽しめる特別な逸品。空港と千葉の魅力を一緒に届ける、新しい食の取り組みです。
公開 2025/12/02(最終更新 2025/11/27)
まりか
ネコと旅、お酒を愛する50代。特技は迷子になることなのに、よく道を聞かれます。両親、伯父夫婦の介護に翻弄されつつ、かわいい、おいしい、のんびりを求めてさまよう日々をinstagramに綴っています。本業は社会福祉士。★Instagram★@neko_marika
記事一覧へえっ!? 成田空港にオリジナルクラフトビール?

日本の空の玄関・成田空港に、オリジナルクラフトビールがあるのをご存じですか?
成田空港で空港旅客サービスやイベントプロモーションなどを手がける株式会社グリーンポート・エージェンシー(GPA)が、「人を想い、成田空港から日本を豊かに、世界に感動を。」という企業フィロソフィの下、開発しました。
成田空港だけでなく、地域も一緒に元気にしたい、との思いが込められています。

出発のセゾン 到着のアンバー

第1弾の「成田空港エール セゾン」のテイクオフ(発売)は、2022年。
成田空港開港記念日の5月20日でした。
コロナ禍で旅行が難しい中、おうちで旅気分を味わってほしいとの思いで、生まれました。
グラスを持つと、旅の始まりを思わせる、かんきつ系の華やかできりりとした甘さが。
ごくりと一口飲むと、爽やかな苦味が広がります。
隠し味は千葉県産の房総オリーブオイル。
休日の昼下がり、カルパッチョと一緒に味わえば、たちまち心は大空に羽ばたきます。
イギリスで開催された「WORLD BEER AWARDS 2023Biére De Garde/Saison部門」金賞など国際的な賞に輝いています。
2024年に誕生した「成田空港エール アンバーエール」は、麦芽の風味をゆっくり堪能できる深いコクが特徴。
引き立て役のさんしょうも千葉県産です。
ウナギとのマリアージュが相性◎。
帰国したときの安心感をイメージしたというだけあって、心が解きほぐされ、ゆったりした気分になれます。
「なぜ成田空港でクラフトビールを?とよく聞かれるのですが、旅とビールって親和性が高いと思うんです。出発前のひとときや帰国後の空港ではもちろん、ご自宅でも家族やお友達とゆっくり楽しんでいただきたい自信作です」と入社3年目の田中佐季さん。
旅とビジネスの拠点である成田空港ブランドを意識した、細身のボトルにシックなラベルも自慢。
バゲージタグに、旅気分が盛り上がります。

開発には、県内クラフトビールのリーディングカンパニー、チョウシ・チアーズ株式会社が協力。
同社の代表取締役・佐久間快枝(よしえ)さんの地域への思いに共感して、コラボが実現しました。

千葉の味覚が彩る癒やしのクラフトジン

そしてサステナブルな視点を生かして開発されたのは、構想1年半のクラフトジン「Cloud9」。
原酒に酒々井町の老舗酒蔵・飯沼本家の酒かすをアップサイクル。
ジンは植物を主原料とするお酒なので、さまざまなハーブやスパイスなどの植物由来の素材(ボタニカル)を加えて独特の香りをつけますが、Cloud9には6種類の植物が使われています。
成田空港機能強化工事に伴って伐採された杉、芝山町の緑茶、山武市のしょうが、長生郡のオリーブ、南房総市のスダチ、鴨川市のシークワーサーと全て千葉県産。
入社9年目の杉本ゆめさんは「成田空港だけでなく、周辺も一緒に盛り上げたいという気持ちから、社員が県内を歩き、特産物をリサーチしました。千葉にはおいしいものがたくさんあることを、ぜひ知ってもらいたいです」と話します。
強いお酒のイメージがあるジンですが、ウッディな杉の香りが、スダチやシークワーサーを引き立てます。
炭酸水で好みの濃さに割るだけで、香りに癒やされるカクテルに。
共同開発者のエシカル・スピリッツ株式会社は、再生型蒸溜所「東京リバーサイド蒸溜所」を運営。
海外の複数のコンペティションで賞を獲得しています。

話題の吉本興業とコラボのレトルトカレー

最後に紹介するのは、「よしもとカレー 成田空港 マッシュルーム&ポーク編」。
あの吉本興業東京本部の社員食堂で一番人気のカレーと、全国の特産物がコラボする企画で、その中の一つに選ばれました。
香取市の「芳源(よしもと)マッシュルーム」と成田市の「笑顔大吉ポーク」が、吉本興業発祥の地である大阪の「泉州たまねぎ」と共演。
スパイシーなカレーに豚肉の甘さがマッチして、厚切りのマッシュルームの歯応えが存在感たっぷりです。
レトルトなので、休日のランチや夜食にストックしても。
いつもの食卓が旅になる、成田空港の逸品をぜひどうぞ。
