千葉県習志野市出身、在住の小説家・清水晴木さん。累計4万部突破の『さよならの向う側』シリーズなど多数の執筆した小説の数々は千葉を舞台にしています。そんな清水晴木さんが著作と絡めて千葉の思い出をつづります。

小説家・清水晴木「晴れ、ときどき懐う(おもう)」
清水晴木さん

清水晴木さん
1988年生まれ。東洋大学社会学部卒。2011年函館イルミナシオン映画祭第15回シナリオ大賞で最終選考に残る。2021年出版の『さよならの向う側』はテレビドラマ化して放送。『分岐駅まほろし』『旅立ちの日に』『17歳のビオトープ』など著作多数。

公開 2025/12/13(最終更新 2025/12/10)

編集部

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ちばちばしている

「ちばちばしている」という言葉をご存じだろうか。

というか知っている人がいたら、私と気が合うかもしれない。

私が考えただけのただの造語だからだ。

ちなみに「ちばちばしている」とは、千葉の要素がとても強く、千葉の雰囲気がどっぷりと醸し出されている時に使う言葉である。

千葉のお土産屋さんで買った落花生をその場で食べてみたり、千葉の総武線の駅のホームでマックスコーヒーを飲んだりはまさにそうだし、私も久々に高校の友人と千葉駅の旧スクリーン前で待ち合わせてSOGOに行ったりすると、ちばちばしているなあと思ったりする。

今回、なぜ「ちばちばしている」という言葉を使ったかと言えば、私の11月の新刊『君と29.5日の月夜を何度でも』という作品が、まさにちばちばしていて、幕張の浜、海ほたる、千葉公園、九十九里の海と物語の全てが千葉の中で展開されているからだ。

ちばちばしている~ 小説家・清水晴木「晴れ、ときどき懐う(おもう)」

そしてこの作品を書いている間も、舞台にしている千葉の光景が鮮明に浮かび上がったのは、既に私の頭の中がちばちばしているからなのかもしれない。

東京から総武線の電車に乗って帰ってくる時も、江戸川を越えたあたりから心が落ち着く。

横浜のオクトーバーフェストでソーセージを食べていても習志野ソーセージのことを思い出す。

埼玉を訪れた時に、浦和レッズの赤色を見てチーバくんのことを思い出す…とまではならないが、千葉は私の心の中に確かに息づいていると思う。

これからもまた、ちばちばしている物語とコラムをお届けしますので、お楽しみにお待ちください。

イラスト/めぐ