埋め立てで傷ついた東京湾最奥部に広がる干潟・浅瀬の三番瀬(さんばんぜ)。豊かな漁場だった頃をよみがえらせる鍵はアマモという海草が握っています。
写真提供/NPO法人三番瀬フォーラム
公開 2025/12/31(最終更新 2025/12/22)
富津漁協から譲り受けた300株
10月18日、NPO法人・三番瀬フォーラム(安達宏之理事長)が市川市沖で、富津漁協から譲り受けた海草のアマモ300株を移植しました。
市川市臨海整備課、市川市漁協の関係者らが見守る中で3回目(3年目)の挑戦。
20cmほどのアマモに紙粘土の重りを付けて砂地に植え付けました。

全国の沿岸の海底に自生するアマモは、魚や貝の産卵、成育場所として「生物のゆりかご」ともいわれています。
昨秋、市川市沖に植えたアマモは、春までに平均1mほど順調に伸び、300株が7倍の2100株まで増えて大きな成果を出しました。
ただし、今年は猛暑で夏を越せず溶けてしまったそうです。



過去2回の移植で稚魚や稚貝を確認
三番瀬ではこの2年間でスズキの稚魚やコウイカの卵やカニが多数確認され、アマモの根元にはアサリの稚貝も数多く見かけられたそうです。



安達理事長は「溶けても移植は続けます。種子が思わぬ所で芽吹く可能性がありますから」と今後も続ける意向を示しました。
一方、市川市の資料によると、アマモが光合成で二酸化炭素を吸収することから、地球温暖化防止策としての側面も。
移植による温室効果ガス削減に期待を寄せているようです。


(取材・執筆/マット)
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※2026年4月初旬、三番瀬干潟にて三番瀬干潟散策会「カレイの赤ちゃんを見に行こう」を開催予定。
開催1カ月前から定員、費用などをHP他で告知予定