生成AIを使って簡単に動画が作れるようになった半面、手軽さの裏には落とし穴も…。生成AIとの向き合い方について識者に聞きました。
教えてくれたのは…

| 大井崇司さん |
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| ノコソキッズ動画制作スクール代表 |
公開 2026/03/04(最終更新 2026/03/02)
ロケ要らずで誰でもクリエーターに
最近まで、動画制作にはプロの技術や資金、機材、場所、人手などが必要で、誰もが手軽に作れるものではありませんでした。
しかし生成AIの登場で状況は一変。
今では写真1枚や短い文章指示だけで動画を作ることができ、専門知識がなくてもプロのような表現に近づけるようになりました。
撮影が季節や天候に左右されることもなく、時間や場所の制約も少ないので、出演者集めの苦労もありません。
危険なシーンや撮影が難しい場面をAIで補完することもできます。
失敗しても何度でもやり直せるため、「条件がそろわないから撮影を諦める」ということもなくなり、大人から子どもまで、誰もが動画作りに気軽にチャレンジできるようになりました。
しかし技術そのものへの驚きは、いずれ薄れます。
登場した頃は社会を驚かせたCG映像が今では当たり前になったように、派手で斬新な生成AIの映像も、やがて日常に溶け込み、ありふれたものになるはずです。
そんな近い将来、「価値のある動画」と評価されるために必要なものとは何でしょうか。
伝えたいことを言語化する力が必要
技術の進歩にかかわりなく輝きを放つのは、動画に込められた人間の意志や「何を伝えたいのか」という中身です。

作業はAIに任せ、人間は「自分の表現したいこと」を明確にし、それを実現するための指示を出すことが重要な役割になります。
動画全体を見渡し、構成を考え、内容を取捨選択する総監督のような立場です。
AIは正解を出す万能装置ではなく、選択肢や視点を提示してくれるだけに過ぎません。
便利な相棒にはなり得ますが、AIの出す答えを考えなしに受け入れていると、思考停止に陥る危険も。
あくまで自分の頭で考え、AIが意図と違うものを出してきたら、「そうではなく、こうしてほしい」と伝えられる意志と判断力が大切です。
AIを使いこなすか、言いなりになるかは、あなたの向き合い方次第。
あなたの表現とAIとのコラボレーションから生まれる新しい価値の創造を、ぜひ楽しんでみてください。
動画作成方法の例
①静止画像を動かす

画像を選び、「ウサギがネズミに飛び掛かるように」と文章で指示を出すと…


生成AIが元画像を起点に動画を作成
②文章の指示から直接動画を作成
「閑静な住宅街でフリーペーパーを配布している年配の女性」という文章を打つと、リクエストに沿ってこのような動画を作成。
追加指示で女性を日本人に修正したりすることもできます。

バズる時代だからこそリテラシーが肝心

バズる動画が簡単に作れる今、作り手には「その動画が公開されたら何が起きるのか?」「炎上しないか」「誰かに迷惑をかけないか」を想像する力が求められます。
親子で動画を見る機会があれば、「これは本当にあったこと?」「誰かを傷つけない?」などと話し合ってみましょう。