「多発性硬化症(MS)」という病気をご存じですか。その原因や症状などについて、脳神経内科医の大橋高志さん(鎌ケ谷総合病院脳神経内科部長)に聞きました。

この記事は、2026年1月「MSテラス柏」主催によるMS講演会に参加し作成しました。

公開 2026/03/31(最終更新 2026/03/27)

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東京生まれ。月の出ている日は必ず見つけて写真に撮りブログにアップする月大好き人間です。果物を食べながら、「この果物はどうやって生まれてきたのかな?」とすぐ考えるタイプ。ちなみにプロフィール写真は、以前記事作成のために撮影した栗の赤ちゃんです。

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多発性硬化症とはどんな病気?

MSは、自分の脳、脊髄、視神経の神経線維を、免疫システムが誤って外敵と捉えて攻撃し、壊してしまうことで起こる病気です。

炎症が起こっては消える(再発と寛解=かんかい=)を繰り返し、炎症が治まった部分が硬くなることから「多発性硬化症」と呼ばれています。

図1のように「再発」と「寛解」を繰り返しながら障害が進む病気で、難病に指定されています。

(図1)MSの臨床経過

日本での患者数は全国で2万人強とまだ少ないものの、緯度の高い地域に住む欧米白人には患者が多く、症例の多いこれらの地域では、病気の解明や治療法の研究が進んでいます。

症状は多様だが有効な治療法も出現

日本でも増えてきた、若年層の女性に多い難病 多発性硬化症(MS)とは?

MSは、若い人、特に女性が罹患(りかん)することが多いのが特徴です。

視神経に起きると「色が分かりにくい」「視界がぼやける」、脊髄に起きると「手足がしびれる」などの症状が出現。

図2のように見た目では分かりにくい症状も多く、人によってもさまざまです。

(図2)MSの症状
(図3)脳、脊髄、視神経に時間的空間的に多発するMS

日や時間によって体調が突然変化することもあり、周囲を戸惑わせてしまうことも。

これらが、この病気が理解されにくい要因となり、正しい診断や治療につなげることを難しくしているようです。

ただ、今は病気の解明が進み、再発や進行を抑える効果がある治療法が次々と出てきています。

MSの認知が広がることで、病気の早期診断や患者への周囲の理解が進むようにと、30年前からNPO法人「MSキャビン」が情報発信を続けています。

まずは、MSという病気を知ることから始めてみませんか。

監修/大橋高志さん(鎌ケ谷総合病院)

ホームページ/https://www.mscabin.org/