印旛沼や周辺の河川などに多数生息している特定外来生物のカミツキガメが捕獲活動で着実に減少しています。
千葉県生物多様性センターの地道な取り組みが成果を上げました。
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公開 2020/10/19(最終更新 2023/02/03)

ソバ
大手新聞社の記者を続け、定年延長も終わったので、地域の話題を取材したいと、地域新聞様にお世話になっています。明るく、楽しく、為になる話題を少しでも分りやすく紹介したいとネタ探しの日々です。子どもの頃から麺類が好きなのでペンネームにしました。
記事一覧へわなによる捕獲実施推定生息6500頭
原産地はカナダ、北米から中南米。甲羅は最大50㎝、体重は35㎏程度になります。
浅瀬に生息し、冬は冬眠します。
水中で危険を感じると素早く逃げるが、陸上で人に追い詰められ、手を出されると反撃してかみつきます。
英語名はスナッピング・タートル。スナップは「かみつく」という意味です。
産卵期は5、6月で通常1回に20~40個の卵を産みます。
夜行性で雑食性。魚や貝の他、昆虫や甲殻類、両生類も食べます。

カミツキガメは1990年代後半から増え始め、生態系への影響が懸念されてきました。
ペットとして輸入された後、飼いきれずに捨てられ、増えたとみられます。
ピーク時の2015年度の印旛沼での生息数はこれまで約1万6000頭とされていましたが、最近の見直しで約8800頭と修正されました。
17年度から集中的な捕獲を実施し、同年度は1429頭、18年度2259頭、19年度1597頭を捕獲し処分しました。
現在の推定生息数は約6500頭で、ピーク時から大きく減りました。
20年度の捕獲目標1280頭で、同センターの小野知樹室長は「捕獲の手綱を緩めずに、地道に続けていく」と意気込みます。

サバの頭が餌。わなのかごに仕掛ける
印旛沼は水温が高く、底に泥がたまるなどの生息条件が適していたといいます。
捕獲方法は長さ1mほどのわなのかごの中に餌として生のサバの頭を入れて、水底に仕掛けます。
カミツキガメはサバのにおいに誘われてわなに入り、出られなくなるそうです。
わなを仕掛けてから2、3日後に引き上げますが、10基を仕掛けて、入るのは2基程度といいます。

本年度は全体的な防除実施計画を改定する予定です。
「捕獲場所などのデータを集計し、習性も研究している。水路などはわなを小さくして仕掛けている。根絶を目指す」と小野さん。
印旛沼の本来の生態系を取り戻すまでにはまだ時間がかかりそうです。