
地域を支える! 地域密着型の移動スーパー「まごころ便」
自宅まで届けてくれる宅配サービスの人気が世の中で高まっている中、自宅近くまでやって来る移動スーパーも地域で活躍中!
千葉県9市町を走る移動スーパー「まごころ便」をご紹介します。
公開 2021/03/24(最終更新 2021/03/24)

商品とともに「楽しみ」もお届け
▲地域住民の強い味方「まごころ便」
「まごころ便」を運営するのは、NPO法人「地域支援ネットワーク」。千葉県千葉市緑区にあるスーパー「フードランドレオ」などを経営する宍倉株式会社が2014年に設立しました。
田舎町の小売店の店主が高齢になり、次々と店をたたんでいくのを目にした同社の社長、宍倉弘哲(ひろあき)さんが、「買い物先がなくなり孤立してゆく高齢者たちの力になりたい」と考えスタート。
経済産業省の「地域自立型買い物弱者対策支援事業」からの助成金を活用し、行政と連携をとりながら、いすみ市、袖ケ浦市、市原市、他6市町の過疎地域で全30コースを巡回しています。
停留所は神社や公民館、ゲートボール場など1コースにつき約20カ所となっており、自宅前の停車も可能。
▲冷蔵冷凍庫も装備され、幅広い商品をお届け
生鮮食品や日用品など約400種の商品を車に積んでいて、大型電化製品などもチラシを見て買うことができます。配送料は、商品1品につき10円。
「お客さんは80歳以上が多く、出掛ける機会のない人も多いです。実際に品物を見て欲しいものを選ぶのは大きな楽しみのようです。おいしそうなものや手軽に食べられるもの、例えば、タケノコなど旬の野菜や手で簡単に皮が向けて食べ切ることのできるミカンなどが選ばれますね」。
▲コミュニケーションの場にもなっています
また、「販売車の周りで楽しそうに世間話をされています。車が去った後も話は尽きないみたいですよ」と宍倉さんは話してくれました。
生活の困りごともサポート
週に1度、顔を合わせる運転手と地域の人たちの間には信頼関係が築かれていきます。常連客の顔が見えない時は自宅を訪問し、必要があれば行政に連絡をするなど安否確認の役割も担っています。
また、台風後の片付けや家屋の修繕など生活の困りごとの相談も増えているそうです。そこで昨年から、「お困りごとの相談窓口」を設け、同ネットワークが一次取次店となり、信頼のおける地域の専門業者と地域の人をつなぐ新サービスも実施。
電気・水道業者の他、美容師、リフォーム会社など、依頼先は幅広く、「まごころ便」の運転手を通じて利用することが可能です。
「地域で必要とされていることは永続していきたい」と宍倉さんは真摯に語ってくれました。