
花火コーディネーターに聞く!おすすめの家庭用手持ち・打ち上げ花火はどれ?
夏の風物詩の1つ「花火」。しかし、今年も新型コロナウイルスの影響で、花火大会は軒並み中止に…。
そんな中、家庭用の玩具花火を楽しむ人が急増中。
ということで、千葉県鎌ケ谷市にある夏季限定の花火屋「人形の大二朗」で、この夏おすすめの花火を、花火コーディネーターの鈴木さんに教えてもらいました!
公開 2021/07/27(最終更新 2022/07/20)

創業20年の節句人形専門店が「花火屋」に大変身!
創業20年の「人形の大二朗」は、五月人形・ひな人形の専門店です。
2016年に立ち上げたひな人形ブランド「縫nui」は、コンパクトかつデザイン性を重視した新たなスタイルのひな人形で、同ブランドを主軸に、さまざまな作家の商品を取りそろえています。
そんな節句人形の専門店が、7月上旬~9月中旬までの間、手持ち花火や噴出花火、打ち上げ花火など、国産花火を中心とした、およそ100種の玩具花火がずらりと並ぶ、花火屋へ大変身!
でもなぜ花火? 店主の鈴木大二朗さんに聞いてみると、「花火が好きなので」とシンプルな回答が。さらに「夏場はお人形のシーズンがないので、夏場で区切れる商売を、と思い始めました」と、夏季限定の花火屋をオープンした経緯を話してくれました。
▲とっても気さくで花火好きの鈴木さん
創業と同時期からスタートし、今では、市外・県外から訪れる人も多く、夏が近づくと「今年はいつからオープンするの?」と問い合わせも増えるそうです。
コロナ禍になってからは、幼稚園や町内会などの団体に代わり個人客が増え、「昨年はファミリー層を中心にたくさんの方が来店されました。在庫がすぐになくなるくらいで、玩具花火のニーズの高まりを実感しました」と鈴木さん。
今年も売れ行きは好調とのことです。
花火コーディネーターに聞く!イチオシ・おすすめ・人気・鉄板花火
店内には、見たこともない花火がずらり。
スーパーなどでよく見掛ける、花火セットも置いてありますが、基本はバラ売りが中心。好きなように、好きなだけ選べるのが、このお店の魅力です。
そして、花火の品ぞろえに加え、花火コーディネーターがいることもここならでは。
▲迷った時の強い味方、花火セットの販売も
ちなみに花火コーディネーターとは、人数や予算に合わせて花火をコーディネートしたり、幼稚園などの団体から依頼される花火大会で打ち上げの順番を演出したりする、いわば玩具花火を知り尽くしたスペシャリストのことです。
ですので、花火のことで迷ったら、相談してみましょう。
ということで、店主兼花火コーディネーターでもある鈴木さんに、この夏おすすめの花火を教えてもらいました!
まずは今年のイチオシから。
こちら、刀の形をした手持ち花火「花火刀 藍」と「名刀 火花」です。
人と鬼の物語で空前の大ブームを巻き起こした、あの人気漫画をイメージした商品だそうで、男の子に大人気!
花火といったら定番の手持ち花火ですが、大きく分けて2種類あるそうで、1つは、火薬を塗り固めたスパークル系。もう1つは、紙で巻かれたすすき系とのこと。
▲左がすすき系。右がスパークル系
「スパークルは火花が弾けるタイプで、すすきはすすきの葉っぱのように前に出るタイプです」と鈴木さん。買う時にどっちのタイプにするか参考にしてみてください。
「これも毎年人気ですね」と次に紹介されたのは、「匂い系」と呼ばれる香り付き花火。
▲子どもに人気の香り付き花火
カレー、桃、チョコ、イチゴに加え、今年はスイカが仲間入り。火をつけるとほんのり香るそうで、匂いも楽しめるという2度おいしい花火です。
そして大人に人気なのが国産の「線香花火」。
国産の特徴は、「弾け方が大きく、燃焼時間も長いこと」
▲左が純国産 東の線香花火、右が西の線香花火
左の線香花火はよく見かけますが、右のは…。
「これはスボ手牡丹と言いまして、関西方面ではメジャーな線香花火です。藁を火薬で塗り固めたタイプで、持ち方も真下に向けるのではなく、斜め上に向けて持ちます。最後に玉ができないのも特徴で、現象(火花の色や形状)はどちらも一緒です」
線香花火に地域差があることに驚きました。
続いて紹介してくれたのは、「打ち上げ花火」。
36連、50連、60連などの連発花火に、花束状にバーンとあがる一発ものなど、色んなタイプのものが並びます。
「団体のお客様からご依頼された際は、オープニングに花束状をバーンとあげることが多いですね。ご家族で楽しむ場合は、金煌柳(きんきらやなぎ)や椰子(やし)がおすすめです。柳系と言われていて、火花が柳のように枝垂れするもので、締めの花火にぴったりです」
▲左が椰子、右が金煌柳
打ち上げられる場所は限られてしまいますが、1つあることで大盛り上がり間違いなしなので、抑えておきたいですね。
「でも、打ち上げ花火はなかなかできないかも…」。そんな人には、気軽さと派手さを兼ね備えた「噴出花火」はいかがでしょうか?
「人形の大二朗」は、噴出花火も充実の品ぞろえです。
「噴出花火には、高さ・彩り・動き・金色(和火)の4タイプがあります。高さ系だと5m噴射するものがあったり、彩りは黄色やピンク、ブルーなど色を楽しむもの、動き系は火花が横や斜めと不規則にあがるタイプで、金色は美しい金色の火花が楽しめます」
なんとも奥深い!
そんな噴出花火の中で最近人気なのが「地上点滅」。
「これは、噴き出した火花が地面で光るもので、3年前くらいから出始めて人気が高まっています」とのこと。
そんな進化系とは真逆を行く、「懐かし系」もチェックしていきましょう。
まずはこちらの「カラースモークボール」。懐かしい!!
火をつけると、赤や緑の煙幕がモクモクと出てくるもので、子どもの頃にこの花火を使って忍者ごっこをよくしたものです。それから昼用花火の「鳥籠」は、糸で吊るすタイプの回転花火で、最後には籠に入った鳥が現れるという、ユニークで愛らしい花火です。
その他にも、「へび玉」や「トンボ」など、昔懐かしの花火が並びます。
そんな中で、異彩を放つ花火が…。その名は「おやじのプ~船」「うんち花火」。すごいネーミングです。
▲「まじんのランプ」は今年の新作
「この『おやじのプ~船』は、去年爆発的な人気を博した商品です。火をつけると、せん光後に風船が膨らむタイプの花火ですね。うんち花火は、その名の通りうんちのような花火が出るユニーク系の花火です」
他にも、パラシュート系やカラーチェンジャー系、ナイアガラに長時間燃焼系など、店内にはバラエティ豊かな花火がまだまだたくさんあります。
▲猫やクマなどの人形が降ってくるパラシュート系は人気
ぜひ足を運んで、色々と手に取って花火バイキングを楽しんでみてください。そしてこの夏は、自分好みの花火大会を演出してみてはいかがですか?
ルールやマナーを守って、安全で楽しい花火を
最後に、花火をする上での注意点を聞きました。
「導火線の位置がとても重要で、噴出花火は上に、打ち上げ花火は下に導火線があります。購入する前に導火線の位置を確認し、花火をする際は、きちんと導火線に火をつけて行いましょう。それから、水の入ったバケツを必ず用意して、1つ1つ終わるたびにすぐに水につけてください。打ち上げ花火や噴出花火もそのままバケツの中に入れましょう。ルールとマナーを守って、安全で楽しい花火を満喫してください」
ちなみに、今年使い切れなかった花火は、新聞紙にくるんで保管することで、来年も使えるそうです。