【新たな目線で旅をする】近場で時間旅行に出かけよう

遠くに出掛けなくても、ちょっと目線を変えれば近場の町にもたくさんの見どころがあります。

古地図を片手に町の魅力を掘り下げる地図ラーの会さん、そして町のレトロを愛するライター明里さんに、その極意を教えてもらいました。

公開 2021/09/22(最終更新 2021/10/25)

橋本いくら

橋本いくら

編集/記者。愛媛県出身。千葉の食べ物で一番好きなのはさんが焼き。完全に文化系のサブカル脳で生きてきましたが『リングフィットアドベンチャー』によって最近は筋トレに少しだけハマり中。でもツイッターが一番性に合います。★Twitter★@chiiki_ikura

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古地図とともに今と昔の町を知る(地図ラーの会)

地図は、その場所の過去について、脚色も何の解釈もせずにありのままを教えてくれます。

その場所で何が起きたのか、どんな場所だったのかを知り、実際にその地に立ってみて過去の痕跡を見つけ、今に至るまでの歴史に思いをはせることが楽しいのです。

例えば「なんか不自然」と感じるカーブがあったりすると、「真っすぐの道だと敵から攻められやすかった」など何か理由があるのでその理由も歴史と合わせて考えるとワクワクします。

古い地図と照らし合わせながら歩くのに特におすすめの町は、かつて漁師町だった浦安市や、高度経済成長期の埋め立てにより巨大ニュータウンに生まれ変わった稲毛海岸などです。

町自体が一変するような激動の歴史を持つ町は、地図を見ても歩いても面白いです。

昔は神田の古本街などで手に入れていた古い地図ですが、今は国土地理院のサイトなどでも過去の地図を気軽に見られますし、アプリでも昔の地図上を歩くものなどありますので、ぜひ自分に合ったものを探してみてください。

今と昔を知れるアプリとサイト

今昔マップ on the web

全国49地域の、明治期以降の新旧の地形図を切り替えながら表示できるサイト。北海道から沖縄まで網羅しています。

https://ktgis.net/kjmapw/

アプリ 大江戸今昔めぐり

江戸時代と今の地図を簡単に切り替えられ、見比べられます

販売元/BeMap, Inc. サービス提供元/Appstore、Google Play 価格/無料互換性/iOS10.0以降、macOS 11.0以降とApple M1チップを搭載したMac © 大江戸今昔めぐり製作委員会(有)菁映社,(株)APP,中川惠司 ,Google

地図ラーの会
千葉市を中心に活動する、地図・地理・地形を愛するメンバーが集まった会。SNSでの発信や同人誌・イラストマップの発行を通して地図の魅力を発信する。http://chiba-chizu.com/

レトロを探して町の「昔」を愛でる(ライター明里)

町歩きをするときには、まず地図を見て、面白そうな所を探します。

「飲食店が変な所に集まっている」など気になる土地を見つけたら、ストリートビューで確認し、実際に足を運び、かつては栄えていた町の名残を見つけるのが好きです。

特に注目して歩くのは、昔のレトロな電柱、街灯、看板、建造物など。

あまり気にしない人も多いですが、じっくり見ながら歩くと実は商店街に一つだけ残された昔の街灯などを発見できることも。

私の場合は通りをすべてくまなく歩いて回り、昔のタバコや商品名の書かれたホーロー看板などを見つけると、まるで宝探しで宝を見つけた気分です。


▲町をよく見てみるとレトロが残る

▲懐かしいホーロー看板

私の地元、千葉県で歩くと特に面白いのは、八街にある昔の商店街。

今はもう営業していない映画館なども残っていて、見応えたっぷりです。

地図を見つつ、実際に足を使って町をくまなく見て歩いてみると、いろんな「昔」を発見できるので、ぜひ周囲を気に留めながらのんびり歩いてみてくださいね。

訪れる町の決め方から訪れるまで

1. 住宅地図を見る

2. 地図を見ながらひたすら面白そうな場所を探す

3. 変わった所に飲食店が集まっているなど気になる場所を見つける

4. その場所をストリートビューで確認

5. ストリートビューで気になる場所に、さらに自分の好みのものがあるかどうか確認

6. 必要であれば昔の写真などもネットや図書館で入念に下調べ

カメラやメモを携えてその町へGO!

明里(あけさと)さん
レトロを愛する大学生ライター。1年間で400の商店街をまわり、失われゆく地域の昔の風景を記録し続ける。https://deepland.blog/