去る8月6日、倉敷で行われた全国小学生倉敷王将戦。
都道府県代表の低・高学年の棋士たちが各部64 人参加、強豪たちを勝ち抜き、船橋市立前原小学校3 年の北原優くんが低学年日本一に輝きました。
公開 2021/10/03(最終更新 2021/10/01)

橋本いくら
編集/記者。愛媛県出身。千葉の食べ物で一番好きなのはさんが焼き。完全に文化系のサブカル脳で生きてきましたが『リングフィットアドベンチャー』によって最近は筋トレに少しだけハマり中。でもツイッターが一番性に合います。★Twitter★@chiiki_ikura
記事一覧へ忘れ物を取りに今年も全国大会へ
北原優くんが今回手にしたのは「低学年倉敷王将 大山名人杯」。
2011年に藤井聡太四段が低学年の部で獲得し、その翌年にプロへの登竜門「奨励会」へ進んだという、小学生将棋界の中で最も大きなタイトルの一つです。
千葉県では過去にこのタイトルを獲った小学生はおらず、優くんが初めて。
実は優くんは、昨年も千葉県代表としてこの倉敷王将戦に出場しています。
しかし昨年は予選リーグで敗退。
優勝者のみに与えられる「大山名人杯」(銀盃)を手にする昨年の覇者を見て、優くんは「来年必ずこの忘れ物(銀盃)を取りに来る」とはっきりと母の喜子さんに告げたといいます。
その日から1年、悔しい思いをバネに週に3回将棋教室で指導を受け、それ以外の日はネット将棋で来る日も来る日もひたむきに腕を磨きました。
その結果、今年晴れて「忘れ物」を自分の手につかみました。
次なる勝負も目指すは優勝
将棋との出合いは、ささいなきっかけだったといいます。
幼稚園年長時の夏休みに、家の中で遊べるものをと父親の久さんが将棋盤を買ってきました。
二人で将棋を指す日々の中、始めて1カ月後にはすでに久さんは優くんに勝てなくなりました。

「これでは優が楽しめないのでは」と危惧した久さんが、故萱間治郎氏が主宰する船橋市の将棋教室「NPO法人えんだい」を見つけ、優くんは通うようになりました。
これが優くんの本格的な将棋人生の幕開けです。
幼稚園卒業時に優くんが書いた文集には、すでに「将来の夢はプロ棋士」とはっきりと記してあります。
いまももちろんその夢は変わりません。

次の舞台は11月19日。
関東地区の小学生棋士が幕張メッセに4千人近く集まる「テーブルマーク子ども大会」にも出場予定で、もちろん狙うは優勝です。