ドングリの不思議な魅力を伝えたくて、自然写真家の亀田龍吉さん指導の下、春からの成長の様子を写真に撮り、記録してみました。
さあ、ドングリの面白さが伝わるかな。
監修:亀田龍吉『木の実の呼び名事典』の著者
公開 2021/10/26(最終更新 2022/07/28)

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東京生まれ。月の出ている日は必ず見つけて写真に撮りブログにアップする月大好き人間です。果物を食べながら、「この果物はどうやって生まれてきたのかな?」とすぐ考えるタイプ。ちなみにプロフィール写真は、以前記事作成のために撮影した栗の赤ちゃんです。
記事一覧へドングリとは
「ドングリ」とはブナ科のカシ、クヌギなど堅い果皮をもつ果実(堅果)の総称。
帽子みたいな殻斗の形もさまざまですが、身近な公園で見られる街路樹「マテバシイ」から観察してみました。

ドングリの観察記録
5月
木が活気づいてきました。
新しい枝や葉が伸び、ヒモのような「雄花の穂」が目を引きます。
↓
おやっ?
新しい葉や雄花の下に隠れて、ドングリの子どもたちが育っています。
実になる花が咲く前に、もう実が育っています。
これは不思議!
どういうことでしょう?
6月
疑問をよそに、穂から雄しべが飛び出してブラシみたいになっていました。
木はお祭り騒ぎです。
でも、「雌花」が、なかなか見つけられません。
雄花の花粉を受け取る「雌花」がないはずはないのに…。
↓
探し続けたら、不思議な穂が突き出ているのを見つけました。
「あっ、これが雌花だ!」
ドングリの不思議な雄花や雌花の姿に驚きました。
8月
ドングリの花が咲く前に、なぜ実が育っていたのか?
その疑問が解けました。
亀田さんの「1年半かけて実になるドングリもあるのですよ」という言葉に、目を凝らしてよく見てみると…
本当だ!
雄花の穂(1)が枯れ落ちる頃には、ドングリらしい姿になった2年目の実(2)と、まだ粒のような来年のドングリたち(3)が、並んで元気に育っていました。
秋
おいしく熟したドングリ。
来年の実も見えています(○で囲んだ部分)。

※コナラやクヌギのように、花の咲いた秋に熟す種類もあります。
ドングリは食べられる?!
少しアクはありますが「待てば椎(スダジイ)のようにおいしくなる」ことから名付けられた「マテバシイ」。
ネット上でもレシピが見られ、今も食べられているようです。
今年のドングリ拾いでは、木にも注目。
かわいいドングリ候補生たちが見つかるかも。