後継者不足で耕作放棄地が増える地元に危機感を感じた鈴木衡さん・雅子さん夫婦は、3年前に「農家になる」と決心しました。
本業の建具屋の傍ら、夫婦で挑戦するのが直売所「ベルツリーファーム」です。

公開 2021/11/02(最終更新 2022/03/09)

愛情たっぷりに育った野菜や鶏
東邦大学医療センター佐倉病院の裏手から佐倉への抜け道沿いに、温室の直売所があります。
開店前から並ぶ人たちのお目当ては、佐倉市畔田の農場で当日朝収穫した新鮮な野菜。
中でもキウイ栽培が得意で、農場では多品種のキウイがたわわに実り、出荷の出番を待ちます。

さらに注目は、茶色・桃・青とカラフルな卵のセット。
茶色はボリスブラウン、桃色は烏骨鶏と名古屋コーチン、そして珍しい青は「幸せの青い卵」と呼ばれる南米原産のアローカナの卵です。
栄養価が高く、卵かけごはんで食べても生臭みがありません。

衡さんは「うちの鶏たちはペットだから」と笑います。
40羽近い鶏たちを「子育て上手なみうちゃん」「オスに人気のなっちゃん」と名前で呼び、卵の色・艶・形で誰が親鳥か、分かるほど。
鶏たちは配合飼料以外に草や虫・くず野菜をついばみ、流れる地下水を飲み、夕方になると止まり木に眠る場所を確保します。
産卵時は自分から巣箱に入り、高く鳴く声で「産んだな」と分かるそう。
生命力あふれる平飼い有精卵なのです。

このたまり場が地域の元気の源に
器用な衡さんは、店の備品や看板をほぼ手作りしています。
温度感知センサーで温室の窓の開閉を試したり、農機具操作を担当。
一方雅子さんが会計や野菜の植え付けを担当し、四角豆や菊芋などの珍しい野菜の栽培にも挑戦。
明るく農業に挑戦する夫婦の姿に、応援する地元の仲間は多いです。
消防団の後輩は空いた農地を直売所に提供し、地元農家も余った種や苗を分けてくれたり、自家消費用野菜を「売れるかな?」と持ち込んでくれたりするそうです。
直売所奥の休憩所では、野菜を搬入した生産者たちが談笑します。
西部自然公園内の草刈りの段取りや地元の相談事、ひまわり畑の種まきやBBQのことまで「そろそろやるかねー?」とお茶飲みがてらおしゃべりできるこのたまり場が、地域の元気の源になっているそうです。
住所/佐倉市畔田448-1
営業時間/水・土曜、午後2時〜午後6時
※開店状況はFacebookを参照ください。
Facebook/https://www.facebook.com/Belltree.Farm2850835/
電話/090-3312-6467