チバニアン登録申請者の一人、奥田昌明氏から直接説明を聞け、お茶を片手におしゃべりもできる、「サイエンスカフェ」が県立西部図書館で開かれました。

※22機関35人からなる共同研究グループが、市原市田淵の地層を「国際標準模式地」として登録するよう国際地質科学連合に申請しています

公開 2022/04/25(最終更新 2022/07/29)

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東京生まれ。月の出ている日は必ず見つけて写真に撮りブログにアップする月大好き人間です。果物を食べながら、「この果物はどうやって生まれてきたのかな?」とすぐ考えるタイプ。ちなみにプロフィール写真は、以前記事作成のために撮影した栗の赤ちゃんです。

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科学分野に優れた県立西部図書館

県立西部図書館は、市町立図書館の支援や調査研究のために千葉県内の3カ所にある県立図書館のうち、特に自然科学・技術・工学分野の本や資料の所蔵を中心にした図書館です。

そんな西部図書館で、科学の面白さをより深く感じてもらえるようにと8年前に始まった「サイエンスカフェ」。

その時々の話題に合わせ、県立施設から優れた研究者を招き、「お茶を片手に科学に気楽に触れられる」と好評を得てきました。

チバニアンは どうすごいのか
サイエンスカフェの様子

今回は、世界の地質年代に「千葉」の名が入った時代が認証されそうだと話題を呼んだ「チバニアン」について、県立中央博物館の奥田昌明氏から話が聞けます。

チバニアンは どうすごいのか
講師の奥田昌明氏

チバニアンから知る地学の世界の面白さ

チバニアンで有名になった市原市田淵では、磁場逆転を何回も繰り返してきた地球が77万年前に現在の磁場になった時の地層が、地上に露出しているといいます。

チバニアンは どうすごいのか
市原市田淵にあるチバニアンの崖

「地層そのものは、地下に当たり前にあって珍しくありません。しかし、恐竜などのいた何億年も前の古い地層は、造山運動により地表にも現れることが多いのに対し、77万年前は比較的『新しい時代』なため、地球の隆起効果が追いつきません。だから、この時代の地層が地表に露出している所は非常に珍しいのです」。

そう語る奥田氏も、20年前の京都大学大学院時代に、この磁場逆転の地層を見つけに、深く掘削されたギリシャ
の露天掘り炭鉱まで探しに行った経験があるといいます。

チバニアンは どうすごいのか
ギリシャ露天掘り鉱山(メガロポリス)

くしくも、勤務地の千葉でこの地層が発見され、専門の花粉化石の分野で登録申請グループに名を連ね貢献している奥田氏。

花粉とチバニアンの関係も含めて、有史以前の地球を最先端技術で読み解く地学の魅力や面白さを、存分に伝えてくれそうです。

若い人にも楽しんでほしいです。 (取材・執筆/F)

千葉県立西部図書館
住所/千葉県松戸市千駄堀657-7
電話/ 047-385-4133