昨年4 月、緊急事態宣言が初めて発令されました。
それに伴い、学校は休校になり、仕事はテレワークというスタイルが多くなり、人々の生活が一変しました。
その中で、小さな子どもたちを預かる保育園の中はいったいどうだったのか、佐倉市の保育園を取材しました。
公開 2021/11/11(最終更新 2021/11/10)

橋本いくら
編集/記者。愛媛県出身。千葉の食べ物で一番好きなのはさんが焼き。完全に文化系のサブカル脳で生きてきましたが『リングフィットアドベンチャー』によって最近は筋トレに少しだけハマり中。でもツイッターが一番性に合います。★Twitter★@chiiki_ikura
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誰しもが初めての経験の中、手探りでさまざまな対応に追われたコロナとの闘い。
そんな中、子育て家庭にとって心強い存在が保育園でした。
「保育園には保護者の就労を守り、社会経済の基盤の一助を担う役割があります。常に保護者をお支えし、お子さまの育ちを保障するのが保育園です」と心強い言葉を発したのは佐倉市こども保育課の担当者。
とはいえ、実際の感染症予防対策には相当の気を使ったはずです。
佐倉市にある、北志津保育園を訪ねました。
感染症対策は市が方向性を示しており、「市の対応も早く、かつ、的確だったため、迷うことはありませんでした」と話すのは園長の飯野さん。
園に常駐している看護師の鈴木さんと共に、職員一丸となって子どもたち、保護者の安全と安心を守ることに努力しました。

声掛けや歌を通して手洗いを覚える
検温・消毒はもちろんのこと、園に関わるすべての人に細かな健康チェックカードを毎日記入してもらいます。
小さな子どもたちにとっては、こまめな手洗いや常時マスクの着用が難しい場合もありますが、そこは保育園の腕の見せどころで、手洗いなどは保育士さんたちの楽しい声掛けや歌などの中で学んでいったそうです。
他、おもちゃや共有部のこまめな消毒なども徹底しました。
「慣れるまでは大変でしたが、スタッフ全員で協力して声を掛け合って、安心安全のために続けています。大変なことですが、それをやってきたからこそ今があります」と鈴木さん。

鈴木さんは、自身の子どもが保育園にお世話になった際、子どもの成長を共に喜び見守ってもらい、働く保護者の一人として保育園の保育士さんらに支えてもらった経験から、「自分も子どもたちと子育て世代の保護者を支援したい」と思い、保育園の看護師として勤務をするようになって5年目になります。
「病院勤務で経験した様々な感染症の看護の知識や経験が、保育園の感染症対応に生かされている」と話します。
子どもたちの成長を促すさまざまなイベントが中止になったり縮小されたりしましたが、「子どもたちはその中で存分に楽しんでいます。私たちもできる限り子どもの体験の場を増やして、豊かな乳幼児期のサポートができるように安全を守りつつやっていきます」と飯野園長。
「コロナが終息せず緊張が続き忙しい日々の中でも、子どもたちの成長、そして保護者の皆さまの『ありがとう』の言葉とご協力が本当に力になります」と教えてくれました。