船橋市古和釜町にある「はみんぐばあど」では、主に知的障害のある利用者が椎茸や野菜の栽培、収穫作業に取り組んでいます。

管理者を務める鶴野靖男さんに話を聞きました。

NPO法人いちよう会 「はみんぐばあど」
管理者の鶴野靖男さん。椎茸ハウスにて。

公開 2021/12/24(最終更新 2022/03/08)

雪道

雪道

高知県出身、船橋市在住。元英語講師。ロック好き。読書好き。月村了衛、笹沢左保、有栖川有栖が好きです。残りの人生の目標は、ピアノとドイツ語をならうこと。好きな言葉は「ご縁」。

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自然と共存し体を動かす作業を

開所から17年目を迎えたNPO法人いちよう会「はみんぐばあど」。

現在、生活介護支援を受ける5人と、生産活動に携わる18人の計23人が利用しています。

特別支援学校の卒業生たちが就労先を探す中、希望に合う事業所が見つからず、ならば自分たちで作ろうと保護者たちが立ち上げたのが始まりです。

自然環境と共存でき、体を動かせる農作業を主要な活動として採択、中でも菌床での椎茸栽培に一貫して取り組んできました。

「椎茸ハウス」と呼ばれる建物の中には約20cm角の菌床がおよそ6千個並びます。

「利用者一人一人がどこまでできるかを把握し、作業を分担します。工賃が発生する以上、効率も視野に入れつつ支援がおろそかにならないよう留意しています」と鶴野さん。

一つの作業に共に取り組み、1年後、2年後を見据えて利用者の理解と作業の定着を目指します。

「長期的に見て、これでいいよ、頑張っているね、と見守ります。彼らが楽しく働いてくれることがうれしいですね」。

利用者が自身に割り振られた仕事に取り組む姿に寄り添い、声を掛ける職員たちのまなざしは温かいです。

NPO法人いちよう会 「はみんぐばあど」
「はみんぐばあど」事業所外観

根強い人気の椎茸 新鮮野菜も好評!

収穫した椎茸や野菜は事業所で販売する他、近隣のスーパーの地場野菜コーナーにも並びます。

「今年は猛暑で椎茸の収穫が例年より遅れ、お問い合わせをたくさん頂きました」と鶴野さんが話すように、肉厚で香りの良い椎茸を心待ちにする地域住民は多いです。

ミニトマトやなす、空芯菜などの夏野菜に加え、冬場はかぶ、ほうれん草なども栽培します。

NPO法人いちよう会 「はみんぐばあど」
人気の椎茸と、収穫したばかりのピーマン

立ち上げ当初、ゼロから農業を学んだという鶴野さん。

「本やネットで調べ、周りの農家さんに教わりながらやってきました。少しずつ認知され、支援の輪も広がっているように思います」

取材当日は、軽トラックにいっぱいの落花生と冬瓜を収穫し、晴れやかな笑顔で事業所に戻ってきた利用者たち。

元気を分けてもらえた気がしました。

NPO法人いちよう会 はみんぐばあど
住所/千葉県船橋市古和釜町861
HP/https://www.city.funabashi.lg.jp/kenkou/shougaisha/012/p037870.html