若者たちにオトモダチを……という思いで2017年、社会的養護下の若者へのアフターケア事業を行う一般社団法人「はこぶね」を立ち上げた大藪真樹さん。

今も変わらず日々活動を続けています。

一般社団法人「はこぶね」代表 大藪真樹さん
大藪真樹さん

公開 2022/01/16(最終更新 2022/01/14)

ちいき新聞ライター

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18歳で求められる自立を支えていきたい

大藪真樹さんは、社会的養護(=さまざまな理由で親元を離れ里親家族や児童養護施設など社会全体で育てる取り組み)のサポーターとして活動をしています。

小さな頃から福祉の仕事に就きたいと思い描いており、大学では福祉学を専攻。

本格的に福祉の道へ進んだのは自らの子育てが一段落した2012年。

近所の児童養護施設でボランティア活動を始めたことがきっかけでした。

ボランティアでは、入所している子どもたちのサポートや話し相手となり支えとなりました。

活動するうちに感じ始めたのは、18歳で退所=自立しなくてはならないという現実の厳しさ。

当時について「(退所後の)不安や悩みを聞くようになり、『子どもたちにいつまでも寄り添っていきたい、いつでもSOSが出せる居場所を作ってあげたい』、そういう思いが強くなり、立ち上げたのが『はこぶね』でした」と語ります。

一般社団法人「はこぶね」トモカフェ
活動写真

別の居場所でずっと寄り添っていきたい

当初はスタッフ確保や資金繰りにも苦労したという大藪さんですが、活動から4年たった今、児童養護施設に入所する子どもたちや、退所後の若者たちのために「トモカフェ」を八千代市ゆりのき台に開所。

お茶を飲んでゆっくり会話を楽しんだり、気軽に立ち寄り自由に使ったりできるコミュニティースペースです。

一般社団法人「はこぶね」トモカフェ
トモカフェ

「この場所では、『別の居場所』として好きな事を楽しんでほしい、好きなものをおなかいっぱい食べてほしいと願っています。彼らには安心できる場所、寄り添える人が必要です。現在彼らの話し相手として共に支えてくれる『フレンズ』を募集しています。細く長く、オトモダチになっていただく方がたくさんいらっしゃるとうれしいですね」と話す大藪さん。

養護施設でボランティアを始めた当初に出会った小学5年生の女の子。

彼女は8年後の現在、大藪さんの片腕としてこの事業を支えています。

大藪さんの寄り添う思いが、たくさんの人の心を温めているのかもしれません。(取材・執筆/しゃん)

一般社団法人『はこぶね』
インスタグラム/https://www.instagram.com/hakobune2017/
ホームページ/https://hakobune201705.net