1961年にガガーリンが人類初の宇宙飛行に成功し、69年には人類が月面に初めての一歩を踏み出しました。

そして今、民間人の宇宙旅行が夢物語ではない時代へ!

協力/白井市文化センター・プラネタリウム

公開 2022/02/04(最終更新 2023/08/04)

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東京生まれ。月の出ている日は必ず見つけて写真に撮りブログにアップする月大好き人間です。果物を食べながら、「この果物はどうやって生まれてきたのかな?」とすぐ考えるタイプ。ちなみにプロフィール写真は、以前記事作成のために撮影した栗の赤ちゃんです。

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民間人でも宇宙へ行ける時代へ

日本人宇宙飛行士がISS(国際宇宙ステーション)内で宙に浮かぶ姿は見慣れた風景となりましたが、昨年12月、千葉県出身の実業家・前澤友作氏によるISS滞在は、「民間人の宇宙旅行の幕開け」を人々に強く印象付けました。

ISSが完成した2011年、その建設を支えたスペースシャトルが引退。

米国は月や火星探査に本腰を入れるため、宇宙開発への民間活用に大きくかじを切りました。

委託可能なISSへの物資や人の輸送を民間企業に委ね、宇宙商業活動の後押しもしました。

それが今、次々に成果を生み、花を開かせているのです。

宇宙での経済活動
地球低軌道を経済活動の場へ(イメージ図)
JAXA:提供

スペースシャトル引退後の約10年間、人の輸送はロシアの宇宙船「ソユーズ」が一手に担っていましたが、一昨年の野口飛行士の輸送を皮切りに、民間企業・スペースX社の「クルードラゴン」が加わり話題を呼びました。

有人宇宙旅行
搬出前の野口宇宙飛行士ら(スペースX運用1号船内) JAXA/NASA:提供
SpaceX_Crew-2
SpaceX_Crew-2から搬出される星出宇宙飛行士 JAXA/NASA提供

多様な宇宙旅行で宇宙がさらに近く

身近な「宇宙飛行」として今注目を浴びているのが「サブオービタル飛行」です。

ISSが地上約400㎞の軌道を周回するのに対し、こちらは高度約100㎞まで上昇。

大きな丸い地球を見下ろしながら、数分の無重力体験も楽しめます。

宇宙旅行
各社のHP内の飛行イメージ図を基に作成

昨年7月、ブルーオリジン社とヴァージン・ギャラクティック社の2社が、社主自ら搭乗して安全と楽しさをアピールしました。

前者は、客が乗るカプセルをロケットが100㎞まで運びカプセルを分離。

全自動運転の船内で宇宙体験をしてパラシュートで帰還する全行程十数分の体験です。

後者は、母船の航空機に高度15㎞まで送られた後、ロケット噴射で上昇。

宇宙体感後は、地上に飛行機のように着陸する約2時間の宇宙飛行です。

公開動画を見ると違いも興味深く、心躍らされます。

宇宙での活動
地球周辺:将来の地球低軌道・近傍での活動風景(イメージ図) JAXA:提供

昨年ISSに行った前澤氏は、来年にはスペースX社の宇宙船で、今度は「民間人初月周回計画飛行」を予定しているそうです。

旅行だけではありません。

JAXAは今、13年ぶりに宇宙飛行士候補者を募集しています(2022年3月4日まで)。

注目すべきは、これまでと違って学歴や専門分野を問わず、多様な人が応募できる点。

月探査計画(アルテミス計画)で、日本人として初めて月面に降り立つ可能性も高いようです。

宇宙は民間人に広く扉を開いた新時代に踏み出しました。