流山市市野谷にある円東寺で、2013年から制作している立木十一面観世音菩薩像がまもなく完成します。

3月6日(日)に開眼落慶法要が行われ、近くの自治会館から稚児が練り歩きます(雨天時は撮影のみ)。

【流山市】立木十一面観世音菩薩像
昨年6月、観音堂建設前に現れた全貌

公開 2022/03/01(最終更新 2022/02/28)

ちいき新聞ライター

ちいき新聞ライター

地域に密着してフリーペーパー「ちいき新聞」紙面の記事を取材・執筆しています。

記事一覧へ

樹齢400年、伐採予定の大銀杏で制作

観音像のもとになったのは、区画整理により伐採予定だった樹齢400年の大銀杏。

上部は伐採したものの根を張った状態で幹を残し、13 年に流山在住の仏像彫刻師・畠山誠之さんが中心となり制作を開始しました。

当時、円東寺では彫刻教室が行われており、生徒で檀家の小高弘さんが伐採の話を聞き、講師の畠山さんに相談したことがきっかけです。

【流山市】立木十一面観世音菩薩像
伐採前の大銀杏

東北出身の畠山さんは震災後、気仙沼の地福寺に十一面観音像などを奉納しており、円東寺の観音像も、東日本大震災が発生した3月11日が忘れ去られないよう、11の顔を持つ十一面観世音菩薩像に決定。

高さは約5m、幹回りも約5mあり、チェーンソーで厚い皮を剝ぎ、足場を組み、木くずまみれになりながらのみで彫り進めました。

「『愚公山を移す』の精神で、いつかは完成すると楽しみながら作業しました」と畠山さん。

【流山市】立木十一面観世音菩薩像
一心不乱に彫り進める畠山さん

8年以上の歳月をかけ、ようやく完成の日を迎えます。

観音像は新設された観音堂内に鎮座し、いつでも小窓越しにお顔を拝めますが、3月6日(日)の開眼落慶法要では通常閉まっている扉が開かれ、全貌が眺められます。

【流山市】立木十一面観世音菩薩像
頭頂部にはさまざまな表情をした11の顔が乗る

謎解きに挑戦しようなぞなぞ掲示板設置

2015年、同寺近くに流山市立おおたかの森小学校が開校。

寺の前が通学路になったことがうれしくて、子どもたちになぞなぞを出していたという増田俊康住職は、観音堂建設を機に「なぞなぞ掲示板」も新設しました。

【流山市】立木十一面観世音菩薩像
観音堂となぞなぞ掲示板

「絵馬に数学の問題や解法を記して神社に奉納する江戸時代の算額のように、なぞなぞを奉納するのもいいですね」と住職。

なぞなぞを考えてお寺のポストに入れれば、掲示板に貼られるかも。(取材・執筆/琉)

円東寺
場所/千葉県流山市市野谷563-1
料金/入場無料
電話/ 04-7150-1313 円東寺
※開眼落慶法要は3月6日(日)
午後2時~、見学可