来年、発足40周年を迎える、成田の男声合唱団 「北総エコー」。
歌が好き、人が好き、そして仲間とのお酒が好き。「仲間がいたからここまで歩んで来られた」
数々の思い出を振り返りながら今月19日、記念コンサートが開催されます。

公開 2022/03/13(最終更新 2022/03/11)

仲間と歌い続け数々の舞台をこなす
成田空港が開港して間もなくの1983(昭和58)年に、成田市内で音楽教室を開いていた団長・今仲さん(当時35歳)と友人の信藤さん(当時50 歳)が立ち上げた、男声合唱団「北総エコー」。
喫茶店などの張り紙を見て集まった設立メンバーは、総勢8人。
忙しい仕事の合間を縫って夜間に集まっては練習、市が主催の合唱祭に足を震わせながら初参加したことが忘れられないと、「お父さん」たちは懐かしそうに話します。
「成田合唱の集い」や「関東おとうさんコーラス大会」などに次々と出場。
「神崎酒蔵祭り」をはじめとした地域のイベントステージや老人ホーム慰問も行い、メンバーが30人ほどに増えた時期もありました。
設立から3年後には、第九を歌う会「成田楽友協会合唱団」の結成にも寄与。
年間10〜15回にわたり地域に歌声を届けてきました。

無伴奏の男声合唱響け! 魂の歌声
成田に男声コーラスの存在は珍しいです。
テノール・セカンドテノール・バリトン・ベースの4パートに分かれ、アカペラでハーモニーを奏でる北総エコーの持ち歌は、「筑波山麓合唱団」や「むぎや」など。
そして、平均年齢が70歳を超えるとは思えないほどの、伸びやかで張りのある歌声。
「仲間とは家族同等、それ以上の絆で結ばれています。誰かが練習を欠席すると心配でもやもやします」と初期からのメンバーである洞口さん(66)は笑います。
現在は毎週日曜日の午後2時〜午後4時、児童養護施設蛍雪学園(印旛郡酒々井町)の講堂を借りて練習に励みます。

男同士の気兼ねないやりとりや、練習を終えた後の一杯がやる気を支えました。
活動を通じて成田を知ることができました。
そして年を重ねるにつれ、仲間の命の旅立ちを見送ることもありました。
メンバーの高齢化を考慮して今月、1年前倒しで40周年記念コンサートが開催されます。
現メンバーは9人。
「歌うことは生きること」と、現在74歳の団長・今仲さんは語気を強めます。
そんな北総エコーの歌声に、誰もが励まされることでしょう。

北総エコー 40周年記念コンサート
日時/3月19日(土)、午後1時45分開場 午後2時開演
場所/成田市文化芸術センタースカイタウンホール ※入場無料
住所/千葉県成田市花崎町828-11
問い合わせ/ 090-3952-8225 本郷
申込不要。感染症対策で席数限りあり、早めのご来場を