身近すぎて逆に気付かなかった!?

ローカルだからこその強み、地域密着ならではの品ぞろえ。

千葉と埼玉の個性派ローカルスーパー2店のイチ押しポイントを聞きました!

※こちらの記事はちいき新聞2022年3月25日号の紙面記事を再編集してお届けします

公開 2022/03/23(最終更新 2022/12/25)

編集部

編集部

千葉・埼玉県在住の編集メンバーが、地域に密着して取材・執筆・編集しています。明日が楽しくなる“千葉・茨城情報”をお届けします!!

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食べるものが体を作るから健康第一、ナリタヤは千葉と共に歩みたい【NARITAYA富里店

お話を聞いたのは…

(左)総務人事部 神山裕美さん

(右)富里店店長 石井健一さん

NARITAYA富里店
お話を聞かせていただきました

経営・商売のモットー(大切にしていること)

 ナリタヤはもともと、「一平食堂」という名前の町の食堂でした。その後、食料店を創業。「お客さまの代わりに商品を仕入れる」をモットーとしています。千葉県の企業ということもあり、「千産千消」のメリットを生かし、地元の生産者さんと共に成長していきたい。新人研修では必ず取引先を訪問し、現場を見て回り学ぶことで、商品を売る努力の意識付けを行っています。

NARITAYA富里店
NARITAYA富里店

仕入れ・品ぞろえの特徴やこだわり

 海の幸・山の幸に恵まれた強みを生かし、千葉県産の原材料を使用したプライベートブランドの商品開発に力を入れています。ナリタヤ13店舗という展開だからこそかなう取り組みです。

NARITAYA富里店
プライベートブランドの九条ねぎドレッシングは人気商品の一つ!

 また、生産者の顔が見える商品を仕入れる「ナリタヤファミリー」という、地元生産者との提携も行っています。野菜・肉・卵・牛乳といった、千葉県内、100以上の生産者との取引があります。

 野菜に関して言えば、担当者が一軒一軒、無農薬・減農薬にこだわる農家さんを探すところから始めます。農家さんごとにファンが付いたりもして、皆さまに喜んでいただいています。担当者が農家と密に関わることで信頼関係を築き、紹介動画なども制作。農家さんの思いをお伝えしていますので、ホームページでぜひご覧ください。

NARITAYA富里店
生産者の顔が見える地元野菜が並ぶ

売り場で注目してほしいところ

 お客さまにどうやったら商品の良さを伝えられるかを考え抜いて設置した、「コトPOP」です。「純国産」や「ナリタヤセレクト」など、特にお薦めしたい商品に付いています。試してもらうと分かるのですが、コトPOPの付いた商品はリピート率が高いんです。

NARITAYA富里店
「コトPOP」の付いた商品はリピート高し!(NARITAYA Select)

 また、売り場ごとに個性あふれるPOPも並びます。社員の手作りで商品の良さを伝えています。

 商品陳列にもぜひ注目してください。ボリューム感と美しさを大事に、プライス一つをとってもお客さまが分かりやすいよう工夫を重ねています。

NARITAYA富里店
味のある手作りPOPで商品の良さをアピール

ローカルスーパーならではの強みは

 私たちは店舗ごとに、イベントや商品展開を任されています。お客さまが喜ぶイベントを開催する店舗や、イートインでお店の商品が食べられる店舗(旭萬力店)もあります。それぞれの個性を出せるのが強みですね。富里店では、パートさんが店内放送で歌っていますよ! お買い物にいらした際には、ぜひそこも楽しんでほしいです。

 また、総菜やベーカリーなど、自社で作るものが多いのも強みです。できたて、安心、安全のものをご提供しています。ピザは生地から手作りなんですよ。

NARITAYA富里店
店で生地から手作り、出来たてピザ!

イチ押し商品、売れ筋商品は

 自信を持って「もつにんにく漬」です!創業当初から変わらない味は、たくさんのお客さまに愛されています。開封してすぐに食べられるので、お酒のおつまみにももってこいです。たっぷりのにんにくを楽しめるため、お休み前日のお召し上がりをお勧めします(笑)。

NARITAYA富里店
にんにくのきいたパンチのある味がやみつきに!

 社長が昔、お肉屋さんで働いていた経緯もあり、お肉のおいしさにもとことんこだわっていますね。そして肥育ホルモン剤を使用しないお肉を。北総豚や錦爽鶏など、本当においしいのでぜひお試しください!

移動スーパーについて

 町からの要請を受け、来店が困難な高齢者の方に向けて移動スーパー「とくし丸」を始めました。現在、安食・富里・酒々井・旭方面を6台で回り、840世帯に利用していただいています。週2回、エリアごとに固定の曜日で巡回しています。地域の見守り役も担うため、これからもっと広めていきたいですね。

NRITAYA富里店
ナリタヤの商品を載せて巡回中!

今後力を入れること

 「健康的食生活提案企業」として、健康意識の促進をします。食べ物って、ものすごく体に影響します。それだけで体の調子が左右されるほどに。ですから私たちは社内で「食育コミュニケーター」を育て、お客さまに食べ物の大切さをお伝えしています。第3土曜日は「食育の日」と称して、食文化から食べ合わせまでお伝えできるような売り場演出を考え、皆さまにファンになっていただける店づくりを目指します。

 また、有機栽培の自社農園も始めました!収穫した野菜は不定期に店頭に並ぶので、楽しみにしてください。

NARITAYA富里店
笑顔あふれる頼もしいスタッフの皆さん
NARITAYA富里店

住所/千葉県富里市七栄字獅子穴649-55
電話/ 0476-92-5222
公式HP/http://www.naritaya-net.co.jp/

「激安」と「エンタメ」にこだわり「笑顔」を届ける、それがマルサン!【スーパーマルサン越谷花田店】

お話を聞いたのは…

(左)店長 八木栄樹さん

(右)副店長 百瀬慶一さん

スーパーマルサン越谷花田店
埼玉ポーズでキメていただきました!

経営・商売のモットー(大切にしていること)

 「商品と価格に愛と感動とサプライズを。常に挑むは『薄利多売』」をスローガンに、お客さまの喜ぶ顔が見たい、その最たるところで「激安」にこだわること。そして取引業者さんを大切にすること。この2本柱をモットーに掲げています。

 現社長が東京は足立区保木間のテント小屋で営んでいた青果店が前身です。それから青果・鮮魚・精肉の3つがそろって「マルサン」に。30年以上前に埼玉県越谷市に移り、現在は県内で4店舗を営業中です。

スーパーマルサン越谷花田店
スーパーマルサン越谷花田店

仕入れ・品ぞろえの特徴やこだわりについて

 県内4店舗(越谷花田店、吉川店、久喜店、桶川店)という規模だからこそ小ケース品も仕入れ可能で、各部門のチーフが100%決められるので、品ぞろえも各店でバラバラです。良い品、売れる品はもちろんですが、「面白いかどうか」もポイントにしていて、大手スーパーさんは「定番7割、特売3割」、いつもの品がちゃんとそろう安心感がありますが、うちは真逆で特売7の定番3(笑)。

スーパーマルサン越谷花田店
POPでにぎやかな青果売り場
スーパーマルサン越谷花田店
お祭りムード漂う鮮魚・精肉売り場

 大手さんでは扱えない賞味期限が迫っている品も積極的に仕入れて、「訳あり品」として激安販売! フードロス対策に一役買いつつ、お客さまには宝探しのようにお買い物を楽しんでもらえたらうれしいです。訳あり激安品は青色のPOPが目印です!

青色POPは訳あり激安品の目印!

売り場で注目してほしいところ

 入り口が一つで、売り場は一方通行。天井近くまで積み上げたボリューム過多な商品陳列で、テンション上げていただいて、アトラクションのようにわくわくしてもらえたらと、従業員も気合いを入れているコーナーです。

スーパーマルサン越谷花田店
この先に何があるのか…迷路アトラクションのようなレイアウト

 そんな入り口付近にチーフイチ押しの目玉商品を並べているのですが、後ろから来るお客さまに押されて皆さん急ぎ足で先に進んでしまい、見逃されがちなのが悩ましいところ。売り出し品を全部見てほしくて並べると迷路みたいになって、仕入れによって置く場所も変えちゃうし、花田店は商品があふれちゃって屋外テントスペースが広がる一方です(苦笑)。

 お買い物しながら楽しめるようにと癖の強いPOP、毛筆書きの謎の格言などをこれでもかと吊り下げ、貼りだして、中にはクイズも紛れ込ませています。

スーパーマルサン越谷花田店
格言なのか、妙に納得してしまうPOPがあちこちに
スーパーマルサン越谷花田店
ヒントは「呼んでも無視(ムシ)されちゃんうんです…」

 ちなみにPOPはピンクが「広告の品」、黄色が「特売品」、白が「お買い得品」、青が「訳あり品」と色分けされているとのことですが、唯一、冷凍食品コーナーだけは担当する営業本部長のこだわり(わがまま)でフリーダムです(笑)。

スーパーマルサン越谷花田店
冷凍食品コーナーのPOPはアピール力が違います

イチ押し商品、売れ筋商品は

 やはり総重量2.5㎏の「爆弾おにぎり」1,000円は、一度実物を見ていただきたい商品ですね。最初は桶川店が独自で始めたのですが、それがテレビで紹介されて「ここの店にはないの?」とお客さまからリクエストをいただき、全店で作るようになりました。250円(税込270円)でボリューム満点のお弁当、通称「まる弁」は10年以上前から人気。お総菜コーナーは、お客さまのリクエストや従業員もアイデアを出しやすい売り場なので、いろいろと面白い商品が登場しますね。

スーパーマルサン越谷花田店
2500gという迫力に誰もが振り返る…これがマルサン名物「爆弾おにぎり」1,000円(税込1,080円)

ローカルスーパーならではの強みは

 全店横並びじゃなくて、独自展開が可能なところでしょうか。うちはまだまだ成長過程ですが、「10円セール」や「ひとケタ市」、部門チーフによる売上対決「マルサン杯」など、スタッフの意見やアイデアが即採用されるなど、自分たちが店を作っているというやりがいが感じられます。さまざまなスーパーや販売店で経験を積んだスタッフたちが、それぞれのノウハウを持ち寄っているので、化学反応でもっと面白い発展ができるのではと、自分たちも楽しみなんです。これからもご期待ください!

スーパーマルサン越谷花田店
スタッフも仕事を楽しんでいる雰囲気が伝わってきます

スーパーマルサン越谷花田店
住所/埼玉県越谷市花田3-7-1
電話/ 048-976-8803
公式HP/http://supermarusan.com/