「ピアノを車に載せたら、移動式のストリートピアノができる」。

そんな中学生のアイデアをまちづくり法人が応援し、ユーモアと優しさあふれる楽器が誕生しました。

公開 2022/04/28(最終更新 2022/04/28)

ちいき新聞ライター

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地域に密着してフリーペーパー「ちいき新聞」紙面の記事を取材・執筆しています。

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トラックにピアノ!斬新なアイデア

クルマdeピアノ
クルマdeピアノ

爽やかな青色のトラックに搭載されているのは、全面にひまわりの絵がペイントされたアップライトピアノ。

体が不自由な人でも楽に上れるよう、車椅子リフトが付いています。

バリアフリーで移動型のストリートピアノ「クルマdeピアノ」が、3月8日に完成しました。

もともと「八街市にストリートピアノを設置し、地域活性に役立てたい」というアイデアは、八街市の中学生、合屋祐奏さんと宮﨑桃香さんが発案。

寄付で頂いたピアノを八街中学校美術部の生徒たちがデザイン・ペイントし、人の集まる場所に設置してもらう活動を続けてきました。

活動は令和元年の「ちば起業家交流会」で発表され、賞を獲得。

八街駅北口ひろばで行われたクルマdeピアノお披露目会
八街駅北口ひろばで行われたクルマdeピアノお披露目会。この3月で中学校を卒業した合屋さんが「花は咲く」を演奏した
ペイントされたピアノ
ペイントされたピアノには落花生の姿も

しかし直後からのコロナ禍により、なかなかピアノの行き先が定まらずにいました。

みずみずしい発想にまちづくり法人共鳴

ストリートピアノを置いてもらうに当たり、一番の困難が「移動」と「設置」でした。

「クルマに載せて、自由にピアノが移動できたら」と思い付いた合屋さんたちは、起業家交流会で知り合った大人たちに相談します。

そこでさらに「車に車椅子リフトを付ければ、体の不自由な人にも弾いてもらえる」とアドバイスを受けました。

資金繰りについては、八街市のまちづくり法人「ごちゃまぜ」がクラウドファンディングへの参加を提案し、プロジェクトを立ち上げて資金集めを行いました。

支援額は目標金額には届かなかったものの、支援者の協力で車両づくりを進めて完成。

車椅子リフトのメーカーからは「珍しい案件だ」と注目されたといいます。

野外イベントや福祉系の催しにも

クルマdeピアノは、どこへでも移動でき、野外でも使用可能です。

登場するだけで、そこはコンサートホールになります。

しかも誰でも演奏可能。

コロナ禍により、大規模な催しや室内イベントの開催が難しい状況が続く中、クルマdeピアノならカジュアルな即興演奏会が楽しめ、集まった人に癒やしの笑顔をもたらすことでしょう。

今後は各種イベントへの貸し出しや福祉系の催しなどにも積極的に参加していくそうです。(取材・執筆/奥山)

問い合わせ
メール/kurumadepiano@gmail.com
一般社団法人ごちゃまぜ