国登録有形文化財「旧岩崎家末廣別邸」と、大正から昭和20年代にかけて市内に存在した近代的農場「末廣農場」の歴史価値を一体化しその名称を継承した、富里市観光・交流施設「末廣農場」が今月、晴れやかにオープンします。

末廣農場
木造平屋建ての外観イメージ

公開 2022/05/19(最終更新 2022/05/17)

編集部 みんみん

編集部 みんみん

編集部所属 編集/ライター、千葉市在住。 コーヒーとハイボールとスポーツ観戦が好きです。 苦手なものは強風。

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農牧事業発展に貢献 岩崎久彌と末廣農場

三菱の創始者・岩崎弥太郎の長男として生まれた岩崎久彌氏は社長職を退任後、末廣農場や小岩井農場(岩手県雫石町)の運営を通して農牧事業の発展に力を注ぎました。

岩崎氏が晩年を過ごした富里市の「旧岩崎家末廣別邸」は、2013(平成25)年に国登録有形文化財として登録されています。

末廣農場
国登録有形文化財 旧岩崎家末廣別邸

1952(昭和27)年まで存在した末廣農場は、当時の最新設備をそろえ、採算度外視で日本の畜産界の改良進歩を図るための模範的実験農場として、畜産以外にもスイカの原種栽培を行うなど、富里市の農業を語る上で歴史的起源を持つ農場。

末廣農場
かつてはこの地で、スイカの原種栽培も行われていた

2012・13年に市へ条件付きで寄付され、別邸を含む隣接地とともに新たな観光拠点づくりや、地域経済再生への計画が進められてきました。

歴史一体化施設 富里市に誇りを

施設は、「末廣農場」の名称を継承。

包括連携協定を結ぶ日本大学芸術学部の協力の下、愛称ロゴほか館内表示デザインを制作。

時代的文化事象の「大正浪漫」と岩崎久彌氏をイメージした「カントリージェントルマン」を建物のキーワードとしました。

木造平屋建ての施設の中央通路を真っすぐ進むと、大きなガラス窓のガイダンススペースが。

そこからは道路を挟んで正面に別邸を望むことができ、関連の展示物も楽しめます。

末廣農場
内観(通路)イメージ

販売所では、市内で作られた農畜産物や加工品をはじめ、岩崎家由来の特産品として、小岩井農場の菓子や乳製品も置かれます。

飲食ゾーンでは、農場時代から長年同じ品種を扱う畜産農家から仕入れる、「ダイヤモンドポーク」(中ヨークシャー種)という豚肉を使ったメニューやソフトクリームなど、テイクアウト可能な軽食を中心に販売予定。

「これまでの歴史があり、今の豊かな産物があることの再認識を。かつてここに、小岩井農場の姉妹牧場があったことを周知し、富里市に誇りを持ってもらえるような建物になれば」と、商工観光課の担当者は話します。

また、通路や屋外の敷地は地域イベントスペースとして貸し出し、市民でにぎわいをつくり出す交流拠点としても期待されます。

詳細は市のホームページで。

<プレオープン>
物販・ガイダンス施設の営業開始
5月27日(金)正午~午後3時
5月28日(土)~6月4日(土) 午前9時~午後3時
※月曜日休業
<グランドオープン>
飲食・物販・ガイダンス施設の営業開始
6月5日(日)~6月7日(火) 午前10時~午後5時
6月8日(水)~ 午前9時~午後6時【通常営業】
※6月8日以降月曜日休業
住所/千葉県富里市七栄650-206

問い合わせ
末廣農場 TEL/0476-93-1200
富里市経済環境部商工観光課 TEL/0476-93-4942