若き日の夢、日本一周をついに果たした鈴木通夫さん。
今月開催の写真展「日本一周写真紀行展」。
(都道府県47+3)
50枚の写真に込められた今の気持ちを伺いました。

公開 2022/06/03(最終更新 2022/06/08)

窮地でよみがえった忘れかけていた夢
定年後、写真を学びたいという思いから八千代市勝田台の植村正春写真事務所に17年間在籍し、写真教室の生徒が集うサロンのリーダーを任された鈴木さん。
サロンや撮影旅行の企画・運営をこなし、日本や世界を恩師や友らと巡り、写真技術に磨きをかけ、楽しさにのめり込んでいきました。

ところが70歳の時、妻を亡くしたことに続いて前立腺がん全摘手術を受けることになってしまいました。
ベッドで失意の日々を過ごす鈴木さんを突き動かしたのは、高校の修学旅行で訪れた北海道の大自然の美しさでした。
「もう一度あの場所へ行きたい」。
高校時代に抱いていた日本一周の夢を思い出した鈴木さんは、旅に使う車のスケッチをベッドの中で始めます。
退院後、家族に決意を語りました。
「今やらなければ体力はますます衰え後悔することになる」。
そんな鈴木さんを娘や息子たちは無理をしないことを前提に優しく応援しました。
保険で返ってきたお金で中古ワゴン車を購入。
車内改造を自ら行い、撮影の旅へと出発しました。
撮影は5つのブロックに分けました。
延べ94泊95日、全走行距離2万409km、撮影枚数1万250枚にも及ぶ壮大な旅でした。

旅先で味わう、人との出会いとつながり
ほとんどが車中泊で主に道の駅を利用。
道の駅近くの温泉施設の休憩室ではテレビも利用できました。
夜になれば車中でご飯を炊き、スーパーで買っておいた総菜をつまみに一杯やります。
道の駅エリアで偶然集った旅仲間たちと語り合う、一期一会の日々。
こうして体も気持ちも無理せず少しずつ丁寧に写真を撮りためていきました。
そんな鈴木さんの写真展が佐倉市で開催されます。
「膨大な写真の中からこれというものを都道府県ごとに1枚ずつ厳選しました」
苦難に遭っても希望を捨てず夢に向かって楽しむ大切さを、鈴木さんの写真が教えてくれるかもしれません。
\ 鈴木さんのブログには撮影の経緯や旅先での出来事など、膨大な写真が/
https://csnphoto.exblog.jp
日本一周写真紀行展(都道府県47+3)
会期/6月3日(金)~5日(日)午前10時~午後5時(3日は午前11時から、5日は午後4時まで)
場所/西志津ふれあいセンター ※入場無料
住所/千葉県佐倉市西志津4-1-2
※問い合わせ
電話/090-1403-2306 鈴木
【写真歴】
1944年生77歳。
幼少期は東京墨田区。
96年~97年、4期Nikon通信講座受講・卒業。
97年、フジフィルム主催GA645展入選。
2004年、日本カメラ財団50周年記念写真展入賞。
98年~08年AMATERAS 展4回入選・奨励賞
所属団体/財団法人日本旅行写真家協会会員・八千代市芸術文化協会会員