明治22(1889)年に町として成立した酒々井町は日本一古い町で、多くの民話や伝承される昔話があります。

次代を担う子どもたちに「ふるさと酒々井」を伝えるため、町制施行130周年事業の一つとして、2018(平成30)年度からこれらの絵本化に取り組んできました。

今年3月にとうとう10冊目が完成、当初の予定を達成しました。

しすいみんわ絵本
しすいみんわ絵本

公開 2022/06/15(最終更新 2022/06/14)

ちいき新聞ライター

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地域に密着してフリーペーパー「ちいき新聞」紙面の記事を取材・執筆しています。

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6人の町民と事務局で制作

絵本は酒々井紙芝居の会、朗読ボランティア「虹」、図書館おはなし会ボランティア、酒々井小学校図書館ボランティア、町内在住イラストレーター、ブックデザイナー、文字校正者、事務局から成る「酒々井百話検討会」が延べ35回の検討会を重ねて制作してきました。

1年に2、3冊のペースで毎年刊行。

出来上がった絵本は全国・県内の図書館、酒々井中央公民館の他、酒々井町の歯科医院、クリニックにも置いてもらい、多くの人の目に触れるようにしています。

小学3年生以下の子どもには小学校、こども園、保育園を通じて配布されました。

しすいみんわ絵本
児童書コーナー

11のお話とその舞台を紹介

10冊の絵本には「酒の井」「カンカンムロ」「小僧と天狗」「文殊寺の桜」「ひとつくんねどとおせんぼっこ」「ぼたもち喜兵衛」「高野台のかんのん様」「稲荷の藤兵衛」「水戸様と酒々井宿」「背中合わせの神様」「勝蔵院のお不動様」の11のお話が収録。

巻末には舞台になった場所や言葉の説明、歴史的背景を酒々井町在住の漫画家小石川カナリさんのイラストや写真とともに描かれており、日頃見慣れている場所にこんな歴史があったのかと初めて知る子どもたちからの反響がたくさんあったといいます。

文章は「酒々井百話検討会」で検討したものですが、絵は毎回異なる担当者が描いています。

事務局の土屋さんは「小学生時代から酒々井町に住んでいます。子どもの時から触れてきた歴史を伝えられ、作り上げたものが形となり残せたことがうれしいです」と語ってくれました。

絵本が完成した今後は、多くの人に見てもらえるような展示会を検討しているといいます。(取材・執筆/さくら)

※問い合わせ
TEL/043-496-1171(代)
酒々井町総務課歴史資源活用担当