威勢の良い音楽と「イーヤーサーサー」と元気な掛け声が稽古場からあふれだします。

8月13日(土)の越谷公演に向け、「チーム息吹」の子どもたちは最後の仕上げに汗を流していました。

「チーム息吹」稽古風景
本番さながらの稽古風景

公開 2022/08/09(最終更新 2022/08/10)

ちいき新聞ライター

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各地の歴史物語を描く現代版組踊

現代版組踊(くみおどり)とは、沖縄の伝統芸能「組踊」の様式をベースに、現代的な「音楽」「舞踏」「台詞」の3つの要素で構成された舞台様式のこと。

次世代の子どもたちの育成と地域おこしを目的に、沖縄から各地へ広がりました。

その中の一つ、福島県の南会津を拠点とするのが「チーム息吹」です。

「チーム息吹」の10年振りとなる越谷公演の演目は、「息吹〜南山義民喜四郎伝(みなみやま ぎみん きしろうでん)」。

福島、沖縄、茨城、鹿児島からの参加もあり、総勢80人ほどが出演。

舞台装置、照明、生バンドはプロの大人がサポートする大きな公演です。

「チーム息吹」10 年 振りの越谷公演「息吹〜南山義民喜四郎伝」
越谷公演のポスター

自分たちで考え動く 大人は口を出さない

越谷支部のメンバーは小学生から高校生まで12人で、新規参加は随時受け付け。

学業や部活と両立しながら稽古を重ね、高校卒業と同時に舞台からも卒業し、それぞれの道へと巣立ちます。

驚くことに、稽古場には基本、講師はいません。

演出家が下ろしてきた踊りを歴代の先輩が後輩に教えていきます。

保護者は事務的な裏方のみに徹し、練習にも口出しせずに見守ります。

保護者の一人で、主催の「彩魂(さいたま)喝采の会」の田崎会長は、「今の子どもたちは、なかなか自分を出したり熱い部分を見せたりということができない。ここは、自分を思い切り表現してもいい場所。自分で考え、動ける人間に育ってほしい」と語ります。

「チーム息吹」
昨年10月にイオンレイクタウンで現代版組踊を披露しました

リーダーの田崎ほのかさん(中2)は、「5年前に組踊を見て『かっこいいな、やりたいな』と思って。今では、他のチームの異なる年代の方たちと話す機会も多く、学校でもまとめ役になることが増えました」。

齊藤愛久さん(中2)は「とにかく楽しい!練習に行くのも楽しみ」と、2人とも目を輝かせて語る姿が印象的でした。

生バンドの迫力ある舞台
生バンドの迫力ある舞台(2022年3月の喜多方公演)

取材の日もOBが仕事終わりに訪れ、後輩たちに稽古をつけていました。

気持ちの良いあいさつ、きびきびとした動き。まさに「青春」という言葉がぴったりのチームです。

公演は8月13日(土)、越谷サンシティホール大ホールで昼夜2回開催されます。

チケットは高校生以下B席1000円(当日500円増)他。

詳細は事務局へ問い合わせを。(取材・執筆/トモ)

※問い合わせ
彩魂 喝采の会事務局
TEL/048-972-4901
メール/kassai.saitama@gmail.com
HP/https://pro.form-mailer.jp/lp/3720c968257393