伝統を守り、長年にわたって好評を得ている「野田文化講演会」。

今年度第2回は医師で世界的に著名な登山家・今井通子氏を迎えます。

公開 2022/08/25(最終更新 2022/08/29)

ちいき新聞ライター

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文化活動の拠点の一つ興風会館で

1929(昭和4)年、昭和天皇ご即位に際して設立された興風会は、野田地域を中心とした町の人たちの文化活動の拠点として親しまれてきました。

2011(平成23)年には、公益財団法人に認定されました。

その事業の一つが「野田文化講演会」。

重厚な石造り、ロマネスク風の国の指定登録有形文化財である興風会館で開かれる講演会はその都度、人気を集めています。

これまでその時の話題の人、著名な学者や文化人、タレントなど数多くの講師を迎え、登山家・野口健氏やタレント・芳村真理氏など、そうそうたる人たちが登壇しています。

通常年3回開催されてきましたが、2020年度からはコロナ禍の影響で回数や定員も制限するなど感染防止を講じながら続けられています。

今回は医師で世界でも著名な今井通子氏です。

野田文化講演会 「自然がくれたトキメキ」チラシ
チラシ

歴史を刻んだ女性初の世界の名峰登山

今井さんは1942年東京生まれ。

東京女子医科大学卒の医学博士。

幼い頃から山が好きで学生時代もひたすら山に親しみました。

1967年に女性パーティー遠征隊長として世界で初めてヨーロッパアルプス・マッターホルン北壁登攀(とうはん)に成功。

以後、ヨーロッパアルプス・アンガー北壁日本隊ルート初登攀。

1979年にはネパールヒマラヤ・ダウラギリII・III・V 峰縦走隊長として、男性16人を率いてクロス縦走に成功。

7500m以上の三山の登頂は世界で初めてでした。

1985年には再度チョモランマ峰に向かいましたが、登山隊は8540メートルで断念するも、冬期世界最高到達点を記録するなど数々の実績で世界にその名を知られるようになりました。

一方で自然の大切さ、自然との共生などに警鐘を鳴らし続け、国際自然・森林医学会(INFOM)会長なども務めました。

著書に『山は私の学校だった』(山と渓谷社)などのエッセー本の他、自分が登った山々を美しい写真で紹介するガイド本『あなたと歩く世界の名峰』(小学館)など多数。

年齢を感じさせない、生き生きとして若々しい今井さんから、誰もが大きなエネルギーをもらえる機会になるに違いありません。 (取材・執筆/ひのき)

野田文化講演会
日時/9月4日(日) 午後2時~(午後1時開場)
場所/興風会館
住所/千葉県野田市野田250 ※東武野田線野田市駅より徒歩10分

料金/1,000円
定員/350名(全席自由席)

問い合わせ
TEL/04-7122-2191
興風会