「君の心はまるで藪(やぶ)知らず 覗き込んでもよくわからないよ…」。

ポップなメロディーに乗せて八幡の藪知らずを歌う「ノスタルジー&ルミエール」(オニゴエレコード所属)とは一体どんなアーティストなのでしょう?

記念すべきメディア初登場!

ノスタルジー&ルミエール
鬼のポーズで決める二人
ノスタルジー&ルミエール
ノスタルジー鈴木さん(右)/NPO法人フリースタイル市川理事。ポッドキャストラジオ「イカ市川」DJ
ルミエール石垣さん(左)/学生服・学用品リユースの店「ゆずりばいちかわ」店主

 

公開 2022/09/01(最終更新 2022/08/31)

編集部 R

編集部 R

「ちいき新聞」編集部所属の編集。人生の大部分は千葉県在住(時々関西)。おとなしく穏やかに見られがちだが、プロ野球シーズンは黄色、Bリーグ開催中は赤に身を包み、一年中何かしらと戦い続けている。

記事一覧へ

「いちカイギ」で意気投合、「鬼越ステイション」が鬼速で誕生!

冒頭の曲「君の心は藪知らず」は、以前チイコミでもご紹介した「市川まちガチャ」のテーマソング。

曲を手掛けたノスタルジー&ルミエール(以下、ノスルミ)のメンバー、ノスタルジー鈴木さんとルミエール石垣さんに7月中旬、話を聞きました。

 

鈴木さんは市川生まれの市川育ち。

楽器を習った経験はなかったものの、歌ったり曲を聴いたりするのは大好き。

さまざまな音楽を吸収しながら育つうちに「演奏はしないけど曲は作れる」ことに気付き、20歳のころから作曲活動を始めました。

ノスタルジー&ルミエール
「ノスタルジー」という芸名のきっかけは、音楽の世界でプロデビューしていた中学の同級生が出演したラジオで鈴木さんをそう呼んだことから。同級生の真意はいまだに分からないという

石垣さんは都内出身。

物心ついたころには自宅にピアノがあり、幼少期は音楽教室に通っていました。

一時期音楽から離れていましたが、18歳の時、パソコンでの作曲が学べる学科が新設された音楽大学へ進学。

その後市川市に転居し、再び音楽から遠ざかっていましたが、2020年のノスルミを結成より現在に至ります。

ノスタルジー&ルミエール
キーボードを弾く石垣さん。「ルミエール」は、ネーミングを考えるのが好きなノスタルジーさんによる命名

二人が出会ったのは20年12月、フリースタイル市川主催の「第1回いちカイギ」でした。

「いちカイギ」は、市川市内で地域への思いを持って活動している人に登壇してもらう交流イベント。

その第1回ゲストとして呼ばれたのが、学生服・学用品リユースの店「ゆずりばいちかわ」を地域交流の拠点として活動していた石垣さんでした。

いちカイギ
いちカイギで登壇する石垣さん

一方、鈴木さんは主催側(フリースタイル市川)の主要メンバー。

初対面ではないものの、あまり話したことはなかった二人ですが、SNSなどを通じてお互い「音楽に興味がある人」だという認識はありました。

自然な流れで、イベント後に趣味の音楽話で意気投合。

その日のうちに鈴木さんが生歌をデータで送ると、「面白くてすぐ曲のイメージが湧いた」という石垣さんがすかさずピアノでアレンジ。

こうしてノスルミ最初の曲「鬼越ステイション」がスピーディーに誕生しました。

その後、鬼越駅で開催されたオニガシマルシェのテーマ、先述のいちカイギのテーマなど、市川にちなんだ楽曲を昨年からの短期間で次々にリリースしています。

オニガシマルシェのブース
オニガシマルシェのブースに置かれたノスルミの楽曲リスト

泉のように湧き出る鼻歌に生命を吹き込み楽曲に

曲作りのスタイルはとてもユニーク。

「楽器演奏はしないが内面から詩と旋律があふれ出すタイプ」の鈴木さんは、毎日心のままICレコーダーに鼻歌を吹き込んでいます。

詩やメロディーが浮かびやすい場所は、ランニング中のストリートや浴室など。

ランやシャワーのリズミカルな動きや音が感性を刺激し、曲が生まれやすいのだとか。

吹き込んだ曲はすかさず石垣さんに転送。

石垣さんは音楽制作ソフト「ガレージバンド」を駆使して編曲、鼻歌を作品の形に仕上げることでノスルミの曲が誕生します。

ガレージバンドの画面を見せてくれる石垣さん
「ガレージバンドの画面はこんな感じです」

「絵に例えると、デッサンさえ渡せばキャンバスのサイズ、使う絵の具、描き方…まで全部考えてくれる。変なものを投げてもしっかり形にしてくれるんです」と石垣さんに全幅の信頼を寄せる鈴木さん。

なお、鈴木さんのアイデアはマシンガンのごとく飛び出しては尽きることがなく、鼻歌は日々量産され続けているそうです。

未公開曲を含めデモ曲はすでに70曲以上!

「まだデータのまま眠っている曲もたくさんある」ということでした。

ノスタルジー&ルミエール
音楽スタジオを借りて久々のセッション。普段はデータのやりとりが主で、リアルで会うのはこの日がまだ3回目

町のニッチなあれこれをとらえて曲に取り込む

ノスルミ作品の歌詞には地元の人ならピンとくるような、市川ローカルな事物や風景が登場します。

奥市川の自然を歌った「あなたがそれでよければ」、鬼越駅近くの真間川の踏切をテーマにした「桜の踏切」などは、まさにそういった作品群。

「世の中には素晴らしいご当地ソングがたくさんありますが、県や市などの大きな行政単位ではなく、もっとニッチな部分を拾いたい。『市川』というよりは『鬼越』『行徳』といった町単位で曲が作れたら」と鈴木さんは話してくれました。

曲調は懐かしさを感じるレトロポップな歌謡曲風のものが多いようです。

「80~90年代のポップスを聴いて育ってきたので、その辺の音楽がベースになっているかもしれません」

コースター
オニゴエレコードで作成したノスルミグッズ、昭和レトロ感漂うコースター。真ん中の二次元コードから飛んだ先のページで楽曲を聴くことができる

これからも市川のあんなこと、こんなことを曲にしていきたいというノスルミの二人。

「お店で流すBGMって著作権の制限のないものに限られるんです。そこでノスルミの曲を著作権フリーにして、市内のお店で自由にかけてもらえるようになったらいいな…なんて考えてもいるんです」と自身が店主でもある石垣さんは将来的な夢を話してくれました。

「『よく耳にするあの曲はノスルミの曲だったのか!』なんて市川の人が気づいて驚いてくれたら面白いね」。

初ライブ決定!新メンバー登場も!?

ノスルミの曲は現在、音声ファイル共有サービスで視聴可能です。

こちらから

音声ファイル共有サービス
音声ファイル共有サービスの画面

そしてついに待望の初ライブが決定!

10月2日開催のいちかわミュージック・パークへの出場が先日決まったのです。

ノスルミの生演奏が聴けるだけでも楽しみですが、なんとドラムス担当の新メンバーが登場するといううわさも?

乞うご期待です♪

ノスタルジー&ルミエールHP:https://ichikawa-chiba.wixsite.com/nos-lumi