9月に開店1周年を迎えた船橋市習志野台の「おやつカフェkoyausagi」。

甘さひかえめの手作りおやつが評判の店内は、あたたかな風合いの内装に季節の花とアンティーク雑貨が映える、居心地の良い空間。

ハンドメード作品の展示販売やワークショップ(どちらも不定期開催)も人気で、趣味を通した交流が生まれています。

気さくな笑顔の店主さんに話を聞きました。

※記事中の価格は全て税込み

 

公開 2022/09/09(最終更新 2024/02/29)

雪道

雪道

高知県出身、船橋市在住。元英語講師。ロック好き。読書好き。月村了衛、笹沢左保、有栖川有栖が好きです。残りの人生の目標は、ピアノとドイツ語をならうこと。好きな言葉は「ご縁」。

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紺青色の木枠とガラス窓が縁取る、かれんなたたずまいのカフェ

カフェ外観

船橋市習志野台4丁目の住宅街。

習志野台公民館入り口の向かい、あかね色のオーニングが目印のおやつカフェkoyausagiは、2022年9月、オープンから1周年を迎えました。

カフェ外観

しあわせを呼ぶというオリーブの鉢植えと、手作りのかわいらしい看板。

どこか懐かしい、紺青色の木枠にガラスがはまった扉の向こうには、落ち着いた色合いのテーブルと椅子が並びます。

各テーブルに置かれた小さな生花
各テーブルに置かれた小さな生花に心が和みます

およそ10坪の店内には、2人掛けテーブルが4卓と、カウンター3席があります。

各テーブルには小さな花器に季節の花があしらわれ、アンティーク雑貨や調度品が目を引く素朴な店内は、日常の続きのようでいて、どこか非日常を感じる不思議な魅力があります。

子育てをきっかけに、大好きなお菓子作りが「仕事」へ

「おやつカフェkoyausagi」店主の長島佳子さん
気さくで朗らか、おしゃべりが楽しい! 長島さんの人柄もこのカフェの大きな魅力

店主の長島佳子さん。

商店街がにぎわい、並木道や公園は緑があふれ、子どもたちがのびのびと遊ぶこの地域で子育てをしたいと、今からおよそ20年前に船橋に移り住みました。

子どもにアレルギーがあったことから卵や乳製品を使わないお菓子作りを始めた長島さん。

「ココアケーキやクッキーなど、たくさんできるから近所の子どもたちに配ったら好評で」と、やわらかくほほ笑みます。

焼菓子いろいろ
(左奥)グラノーラ500円、お米シフォン各150円、クッキー各280円

やがて自宅を改装し菓子製造業許可を取得。

焼き菓子の委託販売を始めます。

同時に、友人と共同で立ち上げた同市内のカフェでおやつ・デザートを担当。

5年後にそのカフェは閉店しますが、それを機に独立を決意。

2021年9月に「おやつカフェkoyausagi」が誕生するのです。

シンプルであたたかい雰囲気…人をひきつける居心地の良い店内

「おやつカフェkoyausagi」の店内と、店主の長島佳子さん

子どもの頃からものづくりが大好きで、家の改修や修繕にも興味があるという長島さんは、地域の友人たちの手を借りながら店内の改装をほぼすべて自身の手で行いました。

「最初はひとりで作業をしていましたが、ひとり、ふたりと協力してくれるようになり、そのつながりで新しい友人も増えました」と笑顔で振り返ります。

店内カウンター
絵本やスワッグ、お気に入りの雑貨が飾られています

天然木とアイアンフレームを組み合わせたラックも、手作り。

ナチュラルな木の色に、黒色の異素材を取り入れることで、かわいさの中にも落ち着いた雰囲気が生まれています。

「どの世代の方も立ち寄りやすい、かわいすぎない内装を目指しました」と長島さん。

その言葉の通り、男性の常連さんや年配の方のグループの来訪も多いといいます。

「私自身50代になり、楽しい時間の大切さを感じます。皆さんが気軽にちょっとおしゃべりしたり、ほっとしたりする場所を作れたらいいなと思います」

壁に飾られた絵とライト
亡くなったお父さまから贈られた絵。この作品が映えるように壁の色を選んだそう

思わず「かわいい!」からだ思いの「おやつプレート」

9月おやつプレート
おやつプレート650円。+250円でお好きなお飲み物をつけられます

カフェを訪れる小さなお子さんから年配の方まで、幅広い世代が支持する看板メニュー「おやつプレート」をご紹介します。

毎月少しずつ変わる、おやつの種類はさまざま。

季節感を取り入れたお菓子と盛り付けは、見た目もかわいらしく、楽しい仕上がりです。

今月のメニューは
*シャインマスカットをサンドしたお米シフォン
*焦がしきなこのクッキー(卵・バター不使用)
*プリン
*バタフライピーの寒天ゼリー
(2022年9月取材時)

シンプルな手作りプリンは、やさしいお味と口当たりにほっとします。

プリンを単品で注文するファンも多いそう(単品250円)。

おやつ・ぱんだ

ひとつ前の季節、夏の「おやつプレート」はこんな感じでした。
*抹茶のお米シフォン
*パンダクッキー
*プリン
*紫陽花色の寒天ゼリー

パンダの笹をイメージして、シフォンは濃い抹茶味。

クッキーはほぼ砂糖不使用、寒天の藍色はバタフライピー(日本名・蝶豆)から。

どれも甘さひかえめ、昔ながらのやさしいお味です。

からだにやさしいだけでなく、そのかわいさに、テーブルに運ばれた瞬間「わぁ~」と歓喜の声が上がるのもうなずけます。

ブレンドコーヒー(380円)は、同市薬円台にある「コーヒー豆の店ゆら」の自家焙煎豆を使用。

オーダーが入ってから豆をひき、一杯ずつ丁寧に入れるコーヒーは香り高く、おやつによく合う味わいです。

重厚感がありながら、すっきりと飲みやすいコーヒー。

個包装のコーヒーバッグ(2個入り・250円)もあり、プレゼントやおみやげに購入していくお客さんも多いとか。

サンドイッチとおやつのセット
サンドイッチとおやつのセット850円。+250円でお好きなお飲み物をつけられます

サンドイッチとおやつのセット(850円)は、ランチにぴったり。

サンドイッチは卵ときんぴらごぼうから、おやつはスコーンかシフォンサンドから選べます。

自家製パンはふんわり、卵サラダもきんぴらごぼうも家庭的なお味。

良い意味で「ふつう」においしいサンドイッチ、小さいお子さんも安心して食べられるメニューです。

こうじがベース。おなかにやさしい人気メニュー

腸活ポタージュ
そら豆と新玉ねぎ、新じゃがいものポタージュ。ベースは酒かすと塩こうじ

日替わりの「腸活ポタージュ」(400円)は、隠れた人気商品。

酒かすと塩こうじをベースに、季節の野菜が溶け込むポタージュ。

おいしくて温まると常連さんが支持する逸品です。

250円でサンドイッチセットにつけられるので、ランチに添えてぜひ味わってみてくださいね。

その日の分がなくなり次第、販売終了となります。ご注文はお早めに!

甘酒スムージー
甘酒といちごのスムージー 450円

こちらもお子さんからお年寄りまでが大好きという人気ドリンク。

米こうじといちごの自然な甘みが生きるスムージーは、なんと砂糖不使用!

まろやかで心和む甘酒スムージー、おすすめです。

壁を彩る作品展示と、交流が生まれるワークショップ

「おやつカフェkoyausagi」店内
長島さんが特にお気に入りだというスペース

店内の窓辺や壁にも目を向けてみると、さまざまな雑貨や作品がセンス良く飾られています。

地域の常連さんの作品や、店内で行われるワークショップの作品など、そこから会話が生まれ、出会いや交流にもつながるといいます。

これまで店内で開催されてきたイベントは、絵本の読み聞かせ、靴の受注会、出張花屋、量り売り、ドライフラワーのワークショップなど多種多彩。

インスタグラムで随時告知を行っているとのことですので、チェックしてみてくださいね。

住宅街の中の、かわいらしくて居心地の良いカフェ。

子育て世代からお年寄りまで幅広い年代層が訪れ、今日も和やかなひとときを楽しんでいます。

おやつカフェkoyausagi
住所/千葉県船橋市習志野台4-29-7
アクセス/新京成線「習志野駅」から徒歩12分
営業時間/10時~17時
定休日/日曜・月曜・火曜(臨時休業あり)
駐車場/なし
インスタグラム/@koyausagi5