御朱印の城版といわれる「御城印」が全国で人気を集め、古城が再注目されています。
各地に残るそれらの城跡をしのぶ御城印が作られており、御城印ファンは拡大中です。

公開 2022/09/11(最終更新 2024/03/16)

古城は「歴史の宝」 御城印の魅力とは
地域の歴史のランドマークである城。
しかし、その存在が地元でも忘れ去られ、地域に埋もれてしまった古城は全国に数多くあります。
そのような古城を、町おこしの一環として掘り起こそうと取り組んでいる市町村が増えてきました。
こうした動きに早くから積極的に関わってきた「千葉城郭保存活用会」は、県内数多くの自治体に呼び掛け、城址の保存と活用を進めています。
「現存するお城はもちろん、歴史に埋もれた城跡は地域の宝。千葉県内には千以上の城跡があります。これを保存し活用することは、SDGsにも適合するもので、単にお城が好きな人だけでなく今を生きる私たちの持続可能性のある開発目標達成への責任ともいえます」と同会の小室裕一会長は言います。
同会は発掘調査や現地説明会などの他、地元の人たちと協力してさまざまなイベントを開いています。
「御城印」の作成も活動のその一つです。
これまで手掛けてきた県内の御城印は、現在放映中の大河ドラマ「鎌倉殿の13人」(NHK)にも登場した房総の豪族・千葉氏ゆかりの「猪鼻城址」(千葉市)や「金谷城」(富津市)など、93を数えます。
デザインのほとんどは、歴史コンシュルジュであり山城ナビゲーターの山城ガールむつみさん。

「城跡にはそれぞれに、面白くドラマチックな歴史が詰まっています。御城印が地域の歴史や城のことを知り、大事に思うきっかけになったらうれしいです」とむつみさんは話します。
かつての名城「中峠城」の御城印も登場

我孫子市の古城「中峠城」(別名・芝原城)の御城印は、この8月に発行されたばかり。
中峠城は河村氏の山城でした。
古利根川公園自然観察の森に、その一部が保存整備され、堀や土塁の痕跡が確認できます。
市内では貴重な、中世城郭の形をとどめる城跡です。
御城印は市と教育委員会の協力を得て作成されました。
デザインと同封された説明文の執筆はむつみさん。
説明文には中峠城の由来などが紹介されていて、デザインと合わせて中峠城の歴史を楽しむことができます。
中峠城の御城印は我孫子インフォメーションセンター「アビシルベ」か酒々井町の「まるごとしすい」で手に入ります。
古利根川に面した水上交通の要衝地であったという中峠城の御城印を手に、城跡を訪ねてみては。
(取材・執筆/ひのき)
中峠城の御城印
※1枚300円で販売中
問い合わせ
TEL/090-3084-1258
千葉城郭保存活用会 小室
■我孫子インフォメーションセンター「アビシルベ」
住所/千葉県我孫子市本町2-1-10
TEL/04-7100-0014
■まるごとしすい
住所/千葉県印旛郡酒々井町飯積2-8-2
TEL/043-376-6810