児童養護施設に入所している子どものうち6割以上が、虐待の経験があるといわれています。
そんな子どもたちの自立と就労の支援を行う「TERAKOYA」の挑戦を取材しました。

公開 2022/10/18(最終更新 2022/11/18)

編集部 モティ
編集/ライター。千葉市生まれ、千葉市在住。甘い物とパンと漫画が大好き。土偶を愛でてます。私生活では5歳違いの姉妹育児に奮闘中。★Twitter★ https://twitter.com/NHeRl8rwLT1PRLB
記事一覧へ地域の人との交流が支援にもつながる
児童養護施設や自立援助ホームといった社会的養護下で育つ子どもは、心に傷を負っているケースも多く、施設退所後に社会適合できず悩む若者が後を絶ちません。

そんな子どもや若者のアフターケア事業を行うのが、若葉区の「TERAKOYA」です。
運営するのは、都賀エリアで福祉事業を展開する「バンブーグループ」。
代表の竹嶋信洋さんは、「障害者支援など、これまでさまざまな福祉事業をしてきましたが、社会的養護下で育った若者へのアプローチは試行錯誤の連続です」と話します。
「TERAKOYA」が掲げる役割の一つが居場所づくり。
ガラス張りの扉を開けると、まず目に飛び込んでくる卓球台をはじめ、棚には本やボードゲームがズラリ。
誰もがふらりと訪れて、くつろいでほしいと呼び掛けています。
「まずは地域の人たちが自由に交流できる場所として機能させること。そこに悩みを抱えた若者や子どもたちが遊びに来て、コミュニケーションの輪が生まれたら」。
実際に支援をしてみると、幼い頃に受けた心身の傷は簡単に癒えるものではないと痛感した竹嶋さん。
住民のつながりを強くし、「孤育て(こそだて)」をなくすことが問題解決の一手になると考えています。
実践的な学びで自立・就労を支援
もう一つの大きな役割が就労支援事業です。
社会的養護下にある若者に対して、就労のためのプログラム「きみらぼ」を提供し、自立をバックアップ。

ゲストとして招かれた経営者らから、働くことの楽しさや意義、心構えなどを学びます。
多様な職業に触れることで選択肢を広げる目的も。
さらに今後は、企業とのマッチングも積極的に行い、インターンや職場見学にもつなげたいと意気込みます。
一方で地域での認知度も深めるため、イベントなどの仕掛けも企画中。「人と人とのつながりを丁寧に紡ぐことが、手を差し伸べ合える社会の実現につながるはず」と竹嶋さん。
多角的な支援を通して、一人でも多くの若者が羽ばたくことを願います。
TERAKOYA
住所/千葉県千葉市若葉区西都賀4-2-19アイキョーライブラリービル
開所時間/11:00~20:00(土曜日は9:00~20:00)
休所日/月曜日
問い合わせ
電話/070-1266-3881